計算の工夫(3)

計算の工夫(3)

プロ家庭教師による「計算の工夫」第3回。

 

今回は、前回(2)の続きとなります。

 

前回は、「2020を3で割ったときのあまり」について、

 

(2+0+2+0)÷3=1あまり1

 

よって、2020÷3も、「あまり1」としました。

 

今回は、なぜ、このようなことが言えるのか?そのメカニズムについて、ご説明します。

 

今、4ケタの整数ABCDがあるとします。

 

これは、

  • Aが1000個
  • Bが100個
  • Cが10個
  • Dが1個

あることを、表しています。(10進法だから)

 

これらを、2つのグループに分けます。

 

1つ目のグループは、

  • Aが999個
  • Bが99個
  • Cが9個

です。

 

2つ目のグループは、

  • Aが1個
  • Bが1個
  • Cが1個
  • Dが1個

です。つまり、「A+B+C+D」です。(これを、「各位の数字の和」と呼びましょう)

 

1つ目のグループは、3で割ると、

  • Aが333個
  • Bが33個
  • Cが3個

になり、割り切れます。この部分を3で割ったときのあまりは、ゼロです。

 

そこで、

 

4ケタの整数ABCDを3で割ったときのあまりは、「各位の数字の和」A+B+C+Dを3で割ったときのあまりと、一致する

 

ということがわかります。

 

最も有名なのは、

 

ある整数の各位の数字の和が3の倍数ならば、その整数は3の倍数である

 

という、「3の倍数の性質」でしょう。

 

これは、A+B+C+Dを3で割ったときのあまりが「ゼロ」という、特殊な場合について言っているわけです。

 

より一般的に、あまりが「1」の場合、あまりが「2」の場合にも、同じことが言えます。

 

「ある整数の各位の数字の和が3の倍数なら、その整数は3の倍数」

 

という部分だけを暗記している人は、非常に多いのですが、理由をきちんと説明できる人は、少数です。

 

暗記だけでは、応用動作はできませんが、理由まで理解していれば、自分でどんどん論理展開していけます。

 

では、ある整数を9で割ったときのあまりは、どうなりますか?

 

先ほどの、2つのグループに分ける方法を使って、自分で考えてみましょう。

 

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