2019年浅野中の算数は、例年通りの出題傾向、難易度でした。
「規則性」「場合の数」「平面図形」から、思考力を試す難問が出題され、「2次関数の最大・最小」という、高校数学の分野からも、出題されました。
もちろん、高校数学を知らなくても解けますが。
順に見ていきましょう。
大問1
(1)計算問題
普通に計算します。11の倍数の性質を知っていると、多少、気持ちが落ち着きます。(偶数ケタの数字の和と、奇数ケタの数字の和の差が0か11の倍数)
(2)消去算・つるかめ算
浅野中学の受験生であれば、秒殺です。
(3)数の性質・規則性
「2で割る」「3で割る」「5で割る」ということは、周期30の規則性です。
(4)比・狂った時計
(5)立体図形
大問1は、かなり易しい問題ばかりでした。大問2以降の難易度から考えると、ここを満点で切り抜けないと、苦しくなります。
大問2 数列の和・規則性
高校数学で、二乗の和の公式を勉強しますが、それを、算数の範囲内で、図形的に証明しようという試みです。
長文穴埋め問題の形式なので、誘導にうまく乗っていけば、解けます。
1から30まで、すべて書き出すと、時間がかかりすぎます。
上から5段目くらいまで書いて、規則性をみつけるのが、コツです。
「エ、オ」が難問でした。
大問3 2次関数の最大・最小
(1)は、ただ計算するだけです。等差数列なので、植木算の関係に注意しましょう。
(2)(3)は、2次関数の最大・最小です。
もちろん、小学生ですから、平方完成などナシです。
そこで、全部書き出すことになります。時間さえあれば、絶対に解けますが、時間がかかりすぎます。
よって、後回し。時間があれば、再び舞い戻ってきて、書き出すことになります。
大問4 場合の数
場合の数は、高校数学でも勉強します。本問は、高校生の期末テストで出題してもよいような問題です。
小学生でこの問題が解けるかどうかは、個人差が大きく、何とも言えません。合否を分けた重要問題です。
(1)3×3×3×3=81通り
(2)2人の選び方が4×3÷2=6通り。勝つ手の出し方が3通り。よって、6×3=18通り。
(3)勝つ人が1人の場合が4通り。2人の場合が6通り。3人の場合が4通り。合計14通り。
(4)人が4人で、手の出し方は3通りなので、2人が同じ手を出したことになります。その2人の選び方が6通り。2人、1人、1人に、出す手を割り当てる方法は、3×2×1=6通り。よって6×6=36通り。
大問5 平面図形・点の移動
(1)(2)は、一つの点が固定されているので、イメージしやすいです。
ここまでは、がんばってできるようにしましょう。
(3)(4)(5)は、同時に2点が動くので、大変です。
本問も、高校数学のベクトルを勉強してあると、イメージしやすいのですが、もちろん小学生に、そこまで求められません。
(1)(2)をヒントに、一方を止めて考えていきます。
かなり難しいので、本番では、捨てるのもやむを得ない問題です。
学校公表の受験者平均点は、63.3%。合格者平均点は76.9%。受験者平均点と合格者平均点の差は、算数が4科目中、最大となっています。
浅野中学合格のカギは、算数にあります。
概要で指摘したように、2019年の問題で難しかったのは、大問2エオ、大問3(2)(3)、大問5(3)(4)(5)です。
細かい配点は不明ですが、これらの問題をすべて落とすと、合格者平均点をやや下回るかもしれません。
でも、それ以外が満点なら、何とか合格最低点はクリヤーできそうです。
つまり、ある程度の余裕をもって合格するための対策としては、時間をうまく配分して、大問3(2)(3)をコツコツ解くのが一つ。
もう一つは、大問4の「場合の数」を解けるようにすることです。
大問2(二乗の和の公式)、大問3(2次関数の最大・最小)や、大問5(ベクトル)を予習するのは、現実的ではありませんが、「場合の数」は、小学生でも、高校生並のレベルに到達することが、十分可能です。
がんばってみてはいかがでしょうか。
あとは、大問1(1)~(5)、大問2ア~ウ、大問3(1)、大問5(1)(2)ですが、これらは、塾のテキストの定番問題をきちんとマスターしておけば、対策として十分です。
このあたりで落としていては、浅野中学の合格を争っている受験生とはいえません。
心して、かかって下さい。
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