麻布中2018年算数は、大変難しかったといえます。
大問3~6(配点的には、おそらく8割前後)が「ルール指定問題」。いずれも、事前の準備が困難な問題です。
暗記勉強とは真逆の、考える勉強をどれだけ積んできたかが問われました。
順に見ていきましょう。
大問1「比・やり取り算」
3:2と7:2の「比合わせ」です。全体を45に設定すると、うまくいきます。
大問2「回転体の体積・つるかめ算」
面積図で、底面積を「たて」、高さを「横」にとると、つるかめ算になります。
大問3「ルール指定・場合の数」
(1)なるべく〇を優先的に書いていきます。
〇〇×〇〇×〇〇×〇〇×〇〇(答え)
(2)(1)から一つ取り除きます。×を取り除くと、〇が3つ以上つながってしまうので、〇を取り除くしかありません。
その結果、〇は2個続きのものが4か所、1個のものが1か所できます。
22221の並べ替え方と同じこと。よって、5通り。(答え)
(3)とりあえず、12個並べてみます。
〇〇×〇〇×〇〇×〇〇×
×を「仕切り」と考えます。
8個の〇を
合計15通り。(答え)
大問4「ルール指定・パズル」
(1)一番右の□に×を入れると、右辺は最低でも56となり、いけません。
=を入れると、右辺は8となり、ますますいけません。
よって、+に確定です。
右辺を7+8=15とすると、左辺は4+5+6=15にできそうですが、1がおじゃま。
そこで、1を4にくっつけて、ないのと同じことにするため、1×4にします。
1×4+5+6=7+8(例)
以下、同様。
大問6「ルール指定・数の性質」
(1)一の位だけなら、有名な循環
2486/2486/2486……
になります。
(2)2を10回かけると1024。よって、
<12>=1024×4=4096
<2>=4
<12>+<2>=4100(答え)
それぞれを、さらに2倍すると
<13>+<3>=4100×2=8200(答え)
(3)(2)の4100と8200を見比べると、今後何回2倍しても、下2桁は00となることが明らかです。
ということは、<N>+<N-10>の下2桁は、今後、常に00になります。
ということは、<N-10>+<N-20>の下2桁も00になります。
ということは、<N>と<N-20>の下2桁は、等しくなります。
たとえば
100=96+04=04+96=96+04=04+96……
をくり返しているわけです。
よって、<2018>の下2桁=<1998>の下2桁=<1978>の下2桁=<1958>の下2桁=<1938>の下2桁…………=<18>の下2桁、です。
18とは、早い話が、2018÷20の余り18です。
<8>=256なので、<18>の下2桁は100-56=44(答え)
(4)(3)をヒントに考えます。
992と1000を比べると、差が8。8=2×2×2=<3>
よって、<53>+<3>の下3桁は000です。今度は、差が「50」のとき、下3桁が000になります。
1000-872=128
128=2×2×2×2×2×2×2=<7>
よって、57、157(答え)
比較的取りやすい問題は、大問1、大問2、大問3(1)(2)、大問4(1)、大問6(1)(2)です。
それ以外は、手のつけようがない難問、と感じた受験生も、多かったでしょう。
60点満点のうち、まずは、30点を目標に勉強しましょう。
30点までであれば、大手塾のテキストを、麻布の受験生らしくこなしていれば、普通に取れます。
それ以上を目指す場合、小問に示されたヒントを読み取る能力を鍛えるのが、対策として有効です。
たとえば、大問3では、小問1から順に、14個、13個、12個と、一つずつ数が小さくなっています。
大問6でも、(2)では、12と13、あるいは2と3のように、1違いの数が並んでいます。(3)と(4)では、下2桁が下3桁になっています。
「1変わると、どうなるか?」について、観察することで、規則性が見えてきます。
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