目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)出題分野 |
(2)難易度 |
2、各論(大問1~6) |
「対策」 |
(1)出題分野
「平面図形」「速さ」「規則性」「調べ」などを中心に出題されています。
特に、「速さ+調べ」「規則性+調べ」など、様々な分野の中に、調べ問題の要素を融合させたものが、目を引きます。
(2)難易度
例年並みと思われます。
ただし、難しさの方向が、やや変化したようです。
麻布というと、対称性などの発想を用いて、センス一発で解けるような、ユニークな問題を思い浮かべます。
でも、本年度は、時間無制限なら誰でも解ける問題を、いかに効率的に処理するか?という難しさでした。
出題分野&難易度マップを掲載いたします。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | 計算 | A |
大問2 | ||
(1) | 平面図形 | C |
(2) | 平面図形 | E |
大問3 | ||
(1) | 速さ・流水算 | D |
(2) | 速さ・流水算 | D |
大問4 | ||
(1) | 規則性 | B |
(2) | 規則性 | C |
(3) | 規則性 | D |
大問5 | ||
(1) | 速さ・比 | C |
(2)➀ | 速さ・比 | D |
(2)➁ | 速さ・比 | D |
大問6 | ||
(1) | 調べ | C |
(2) | 調べ | C |
(3) | 調べ | C |
(4) | 調べ | E |
それでは順に見ていきましょう。
大問1「計算」
ウオーミングアップ問題です。
大問2「平面図形」
(1)は(2)のヒントです。
この2点を思い出させるのが、(1)の出題意図です。
(2)では、三角形UQRに三角形SURをつけ加え、四角形PTUSに三角TUQをつけ加え(SURとTUQは合同=面積等しい)、三角形QRSの面積から、三角形QPSの面積を引くことを考えます。
QからPRに垂直な線をおろし、PRとの交点をVとすると、2つの三角形の面積の差は、三角形SQVの2倍。
なぜならば、QVは正三角形PQRの面積を2等分するから、
(正三角形の半分+SQV)-(正三角形の半分-SQV)=SQV×2
三角形SQVは、3つの角の大きさが15度、75度、90度なので、QVを軸に線対称な図形を作ると、(1)の三角形BCDと相似の三角形QSS'ができあがります。
QS=5cmなので、
三角形QSS'=5×5×1/2×1/2=6.25㎠(答え)
大問3「速さ・流水算」
上流と下流から2そうの船が出会う場合、出会いの時間は、静水の場合と等しくなります。
なぜならば、川の流速分は、上りと下りで相殺されるからです。
ということは、本問で船アがAを出発する場合と、船イがAを出発する場合とで、出会いまでの時間は等しくなります。
その出会いの時間に、
進んだことになります。
ここから、それぞれの船と川の速さの比がわかります。
船ア下り | 30 |
船ア上り | 23 |
船ア静水 | 26.5 |
船イ下り | 25 |
船イ上り | 18 |
船イ静水 | 21.5 |
川 | 3.5 |
大問4「規則性」
右端の白が平方数になっていることに着目します。
また、上下の数の差は、同じ横並びでは一定になることも利用します。
(2)は、和が464なので、約半分の230付近の平方数225、256付近に見当をつけて探します。
(3)は、和が1608なので、約1/4の平方数、361、400、441付近に見当をつけて探します。
大問5「速さ・比」
(1)
18回すれ違ったということは、A、B合わせて18km進んだということであり、そのうちAが9/13進んでいます。
(2)
Bがちょうど1周したときが18回目の出会いだとすると、Aはちょうど17周しています。
かかった時間は1÷4=1/4とすると、Aは9と18の速さで1/4の時間に17の距離を進んだことになります。(つるかめ算)
この場合、18×1/4=4.5<17なので、つるかめ算は不成立です。
次に、Bがちょうど2周したときが18回目の出会いだとすると、Aはちょうど16周しています……
という要領で、次々と試していきます。
大問6「調べ」
(1)~(3)は、どこかで解いたことのあるような定番問題ですが、(4)が難問、というか、非常に作業量の多い問題です。
(3)で1000~、2000~、3000~と3通り調べているのは、これが周期になっているからです。
です。
よって、1000~1999、2000~2999、3000~3999について調べれば、OK.
あとは999以下について調べます。
ところで、1000~1999までの調べ方を例にとると(下表)、4ケタの整数を数字3個ずつ区切るので、周期は12となります。
縦線のすぐ右にある数字に色をつけました。
千 | 百 | 十 | 一 | ||||||||||
1 | 0 | 0 | 0 | ||||||||||
1 | 0 | 0 | 1 | ||||||||||
1 | 0 | 0 | 2 | ||||||||||
1 | 0 | 0 | 3 | ||||||||||
1 | 0 | 0 | 4 | ||||||||||
1 | 0 | 0 | 5 | ||||||||||
1 | 0 | 0 | 6 | ||||||||||
1 | 0 | 0 | 7 | ||||||||||
1 | 0 | 0 | 8 |
一の位、十の位、百の位、千の位ごとに、0が何回現れるか数えます。
これを2000~、3000~についても調べます。
999以下は実は少なく、100~999は0個です。(縦線のすぐ右にある数字は、すべて1~9です)
本年度は、作業量の多い「調べ」問題を、いかに効率的に解くかが、最大のテーマであり、合否の分かれ目でした。
作業量が多い問題にも、いくつかタイプがあります。
それぞれの解法について、日頃から研究しておきましょう。
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