目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~6) |
「対策」 |
(1)入試結果
学習院中等科2021年第1回・算数は、例年より易し目の出題となりました。
社会状況に配慮してのことと思われます。
受験者平均点 | 合格者平均点 | |
2021年 | 64.4 | 81.3 |
2020年 | 58.1 | 69.3 |
2019年 | 57.9 | 68.2 |
2018年 | 57.9 | 71.3 |
(学習院中等科ホームページより引用・算数100点満点)
(2)出題分野
「速さと比・進行グラフ」「平面図形」「数の性質」「論理パズル(場合分け)」など、学習院らしい問題が出題されています。
出題の基本方針は、維持されています。
(3)難易度
平均点の上昇から明らかなように、基本的な問題を中心に出題されています。
もっとも、受験テクニック、受験知識の面で易し目ではありましたが、地頭を試す「論理パズル」では、難問が出題されています。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 計算問題 | A |
(3) | 計算問題 | A |
(4) | 計算問題 | A |
大問2 | ||
(1) | 過不足算 | B |
(2) | 年齢算 | B |
(3) | 平均算 | B |
(4) | 仕事算 | B |
大問3 | ||
(1) | 数の性質 | B |
(2) | 数の性質 | C |
(3) | 数の性質 | C |
大問4 | ||
(1) | 平面図形 | C |
(2) | 平面図形 | C |
(3) | 平面図形 | D |
大問5 | ||
(1) | 速さと比・進行グラフ | D |
(2) | 速さと比・進行グラフ | D |
(3) | 速さと比・進行グラフ | D |
大問6 | ||
(1) | 論理パズル | E |
(2) | 論理パズル | E |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1「計算問題」
ウオーミングアップ問題です。
大問2
(1)「過不足算」
(30-6)÷(10-7)=8人
10×8+6=86個(答)
(2)「年齢算」
(51+14)÷(4+1)=13
13-7=6歳(答)
(3)「平均算」
1.2:1.8=2:3
40÷(2+3)×3=24人(答)
(4)「仕事算」
仕事全体を18とします。
18÷9=2……A
18÷6-2=1……B
18÷1=18日(答)
大問3「数の性質」
(1)12、18、42の最小公倍数は、252
252×4=1008(答)
(2)1008×9=9072
9072+252×3=9828
9828+1=9829(答)
(3)1008×5ー1=5039(答)
大問4「平面図形」
(1)円と円の交わる部分、接する部分を結ぶと、正三角形になります。
正三角形の一つの角は60度。ここから、おうぎ形の中心角合計を求めます。
60×24÷360=4……円4個分
6×3.14×4=75.36cm(答)
(2)おうぎ形のふくらんでいる部分を切り取って、へっこんでいる部分にはめ込むと、正三角形が12個できます。
3×2.59÷2×12=46.62㎠(答)
(3)図1の斜線部を正三角形12個分に等積移動した後には、半径3cm、中心角120度のおうぎ形が6個できます。面積合計は、
3×3×3.14÷3×6=56.52㎠
よって、図2の影をつけた部分の面積は、半径6cnの円の面積から46.62と56.52を引いた残りとなります。
6×6×3.14-46.62-56.52=9.9㎠(答)
大問5「速さと比・進行グラフ」
(1)太郎の速さを3、一郎の速さを8とします。
3×18分+8×12分=150
これが2000mにあたります。
54は720mです(答)
(2)2000-720=1280m
1280÷12×60÷1000=6.4km/時(答)
(3)距離の比は54:96=9:16
時間が等しいので、距離の比がそのまま速さの比になります。
9÷16=9/16倍(答)
大問6「論理パズル」
(1)Aの発言から、Aは奇数です。
Bの発言から、Cは3か4。
Cの発言から、Dは3か4。
仮にCが3、Dが4だとすると、Bの発言と矛盾します。
よって、Cが4、Dが3。Aは1、Bは2(答)
(2)A、B、C3人のうち、本当のことを言っているのが誰か、可能性は3通りあります。
そのすべてについて、(1)と同様の検討をします。
Cが本当のことを言っているとき、矛盾が起きないので、正解となります。
本年度第1回は、かなり易しくなりました。
例年であれば、受験者平均点は58点、合格者平均点は69~70点ほどで、年度による誤差もほとんどない学校です。
やはり社会状況に配慮しての出題と考えられます。
過去問として取り組む際には、この点を考慮する必要があります。
もっとも、易しいとはいえ、学習院の出題方針は、きっちりとキープされています。
を重視する姿勢には、全くブレがありません。
よって、6年生の早い時期、春先頃に、時間を測って取り組むと、ちょうど良いのではないかと思われます。