広尾学園 算数 対策 2021年


目次
「傾向」 
1、概要

(1)入試結果

(2)出題分野
(3)難易度
2、各論
「対策」

傾向(第1回)

1、概要

 

(1)入試結果

 

広尾学園2021年度第1回・算数は、例年通りの出題傾向でした。難易度は、やや易し目でした。

 

学校公表の受験者平均点は、100点満点中63.0点。合格者平均点は74.1点でした。

 

(2)出題分野

 

「仕事算・比」「場合の数・数の性質」「平面図形と比」「立体図形」「割合」などから出題されています。

 

本年度第1回は、オーソドックスな中学入試問題が出題されています。

 

(3)難易度

 

大問1の小問群の中には、かなり難しい問題が散見されますが、大問2以降は、ほぼ易しい順に並んでいます。

 

大問1の一部の問題で、時間を使い過ぎないことが重要です。

 

本年度第1回に関しては、高校数学との関連は、特に見られません。

 

「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)

 

Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。

 

   出題分野&難易度マップ
大問1    
(1)① 計算問題  A
(1)② 等差数列の和 E
(2) 数の性質 B
(3) 割合・食塩水 C
(4) 平面図形・面積 D
(5) 立体図形・体積 C
大問2    
(1) 仕事算・比 C
(2) 仕事算・比 C
(3) 仕事算・比 C
大問3    
(1) 場合の数・数の性質 C
(2) 場合の数・数の性質 D
(3) 場合の数・数の性質 E
大問4    
(1) 平面図形と比 D
(2) 平面図形と比 D
(3) 平面図形と比 D
大問5    
(1) 立体図形・展開図 C
(2) 立体図形・展開図 E

 

それでは、順に見ていきましょう。

 

2、各論(大問1~5)

 

大問1

 

(1)①「計算問題」

 

(2)②「等差数列の和」

 

①は、普通の計算問題です。②も同じ扱いになっているので、ウオーミングアップ問題かと思いきや、全く異なります。

 

もちろん、根気よくあてはめていけば、いずれは答えが求まりますが、時間が足りません。

 

そこで、等差数列の和の公式を使おうとしても、2次方程式になってしまい、解けません。

 

では、どうするかというと、1+3+5+7+9をつけ加えます。

 

すると、「1から始まる奇数の和=平方数」が使えます。

 

1+3+5+……+□=625=25×25

 

25番目の奇数は49(答)

 

(2)「数の性質」

 

(3)「割合・食塩水」

 

この2問は基本問題です。

 

(4)「平面図形・面積」

 

正八角形の中心をOとします。

 

三角形CDFの辺DFを底辺と考え、CをOに移動(等積変形)すると、三角形ODFは直角二等辺三角形になります。

 

直角をはさむ2辺の長さが1cmなので、0.5㎠(答)

 

(5)「立体図形・体積」

 

いわゆる、直方体斜め切りです。

 

「底面積×高さの平均」で求められます。

 

大問2「仕事算・比」

 

まず、A+B、B+C、C+Aがわかります。

 

ABCそれぞれが2回ずつ登場します。

 

よって、すべてを加えるとABCの2倍が求まり、2で割るとABCの1倍が求まります。

 

これで、すべてがわかります。

 

本問は、定番問題です。

 

大問3「場合の数・数の性質」

 

(1)

 

123+132+213+231+312+321を計算する際、百の位、十の位、一の位それぞれを別個に足します。

 

すると、各位とも1、2、3が2回ずつ登場します。

 

(1+2+3)×2=12

 

12×100+12×10+12×1=12×111=1332

(答)

 

(2)(3)

 

nが2ケタや4ケタでは777や1332になりません。

 

よって、nは3ケタです。

 

3ケタの各位の数字がすべて等しいか(AAA)、2つが等しいか(AAB)、すべて異なるか(ABC)で、場合分けします。

 

要するに、本問は、百の位の数字は100倍される、十の位の数字は10倍される、一の位の数字は1倍される、という「十進法の仕組み」を理解しているかどうかを、試しています。

 

この仕組みが理解できていれば、百の位だけ串刺しにして足す、十の位だけ串刺しにして足す、一の位だけ串刺しにして足す、という発想が浮かびます。

 

大問4「平面図形と比」

 

(1)三角形EABと三角形EADは等積です。

 

これは、あまり頻度は高くありませんが、どの塾のテキストでも、軽く触れてあるはずであり、基礎知識です。

 

(2)は、(1)が解ければ、自動的に解けます。

 

(3)では、三角形GEBと三角形GEDが等積であることを使います。

 

つまり、(1)が(3)のヒントになっています。

 

大問5「立体図形・展開図」

 

最近流行の、「会話分読み取り」問題です。

 

図ウ、エ、オの順に、少しずつ誤りが訂正され、答えにたどり着けるように誘導してあります。

対策(第1回)

・大問1(1)②は、①の計算問題と全く同じ扱いであり、小問(1)内部でのさらに小問なので、軽く考えがちですが、実は難問です。

 

試験開始直後の緊張している場面で、簡単に見える問題を捨てるのは、精神的に難しいでしょう。

 

このような仕掛けに対する、心の準備が必要です。

 

 

・大問5は、最近流行の「会話文読み取り」です。

 

会話の中に、解法の重要なヒントが隠されています。

 

本問でも、陥りがちな初歩的な誤りから入っていき、少しずつ修正していき、正しい答えにたどり着くように、誘導しています。

 

ただ、これだけの誘導で答えが出せるかは微妙です。

 

そのためには、この誘導に結びつく、別の知識も必要ではないか、というのが、実情です。

 

正八面体のような特徴的な図形については、様々な性質について、準備しておく必要があるでしょう。

 

 

・大問4の内部で、(1)が(3)のヒントになっています。

 

このようなことは、一般的によく見られることです。

 

でも、それだけではなく、実は、大問2が大問3のヒントになっています。

 

出題者が意図していたかどうかは不明ですが。

 

つまり、こういうことです。

 

大問2では、「A君とB君」「B君とC君」「C君とA君」というように、ABCが対等な立場で2回ずつ登場します。

 

大問3(1)でも、1、2、3の数字が各位に対等な立場で2回ずつ登場します。

 

このような性質を「対称性」と言います。

 

大問2の解法が、大問3のヒントになっているわけです。

 

さらに、「対称性」ということで言うならば、大問4「平面図形と比」の問題でも、対角線ACに対し、左側と右側は「対称的」です。

 

実際、三角形が「等積」です。

 

線対称ではないのですが、左側で起きた現象は、右側でも「鏡に映したように」起きます。

 

鏡がちょっと歪んでいるだけです。

 

大問5「立体図形・展開図」も、「対称性」が問題になっています。

 

大問5(1)の答えは、面アと「点対称」な位置にある面だからです。

 

つまり、大問2~5は、すべて、何らかの意味で「対称性」が関係している問題で、そのような発想があると、解法の思いつき方が、全然違ってきます。

 

「対称性」のほかにも、大問1(1)②「つけ加えて考える」など、算数には様々な発想法があります。

 

当ホームページ内

 

「算数の成績を上げるには?」(タップ・クリックできます)

 

では、算数の発想法について、さらにくわしくご説明しています。

 

これらの発想法、視点を身につけることが、広尾学園の対策として、重要です。



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