目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~5) |
「対策」 |
1、概要
(1)入試結果
本郷中学2020年第1回・算数は、やや難し目でした。
学校公表の受験者平均点は、100点満点中53.7点。合格者平均点は68.1点です。
15点近い大差がついています。
(2)出題分野
「速さ・進行グラフ」「場合の数」「平面図形と比」から、主に出題されています。
大問2の小問群は、問題数も多く、出題分野は広範です。
「平均算」「数の性質」「相当算」「仕事算」「場合の数」「平面図形・回転」など、様々出題されています。
(3)難易度
多くの問題が定番問題で、努力が報われる問題です。
ただ、少しパターンからはずれると、易しい問題でも、正答率が下がります。
その一方、「センターラインの法則」など、パターン化されている問題は、本来超難問ですが、それなりに解けています。
難易度と正答率が、微妙にずれています。
「出題分野&難易度マップ」を掲載します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 計算問題 | A |
大問2 | ||
(1) | 平均算 | B |
(2) | 数の性質 | B |
(3) | 相当算 | B |
(4) | 仕事算 | B |
(5) | 場合の数 | C |
(6) | 平面図形・回転 | C |
大問3 | ||
(1) |
速さ・進行グラフ |
B |
(2) | 速さ・進行グラフ | D |
(3) | 速さ・進行グラフ | D |
大問4 | ||
(1) | 場合の数 | B |
(2) | 場合の数 | C |
(3) | 場合の数 | D |
大問5 | ||
(1) | 平面図形と比 | C |
(2) | 平面図形と比 | C |
(3) | 回転体 | E |
それでは、順に見ていきましょう。
2、各論(大問1~5)
大問1「計算問題」
ウオーミングアップ問題です。
大問2
(1)「平均算」
(2)「数の性質」
(3)「相当算」
(4)「仕事算」
引き続き、ウオーミングアップ問題です。
ここまでは、満点を目指しましょう。
正答率も高いようです。
(5)「場合の数」
本問から、骨のある問題が出題されています。
4つの数をA<B<C<Dとすると、2つずつの組み合わせは、6通りできます。
これらのうち、最大、最小と、2番目、5番目は、組み合わせが確定しますが、A+D、B+Cの大小関係が確定しません。
ここを、数の性質を使って見抜いていくのが、ポイントです。
(6)「平面図形・回転」
定番問題です。図が正確に書ければ、あとは計算するだけです。
「計算の工夫」をしましょう。
大問3「速さ・進行グラフ」
この位置(大問3)のグラフは、「差」を表す特殊なグラフが出題されるようです。
グラフが水平に推移しているのは、2台のエレベーターが全く同じ動きをしていることを、示しています。
どちらも動いているか、どちらも止まっているか、2通りの場合があります。
このあたり、十分に慣れておきましょう。
他に、本問で注意すべきは、1階から15階まで、間が14ということです。
ここを15としてしまうと、間違えます。
大問4「場合の数」
本年も、大問4は会話形式です。
(1)は易しく、(2)はやや難しくなります。
最終目標に対し、(1)(2)がもう一つしっくりこない解き方をしていて、戸惑いますが、(3)に入る直前に「もっとわかりやすく考えよう」とリセットするセリフがあり、和ませてくれます。
(3)は、ふだん「道順」を解くときに使う方法をアレンジしたものが、問題文に途中まで示してあります。
とても分かりやすいヒントなのですが、正答率が低くなっています。
このあたりの適応力が、課題でしょう。
大問5「平面図形と比・回転体」
(1)は解法暗記だと間違えやすいパターンです。
意外と正答率が上がりませんでした。
(2)の方は正答率が高いので、時間不足とも思えません。
やはり、意味を理解できていなかった可能性が高いです。
(3)は、中学受験界で「センターラインの法則」と呼ばれている問題です。
正式には、カバリエリの定理。大学の微積分です。高校数学も越えています。
正答率は、驚きの7.5%
もちろん、高くて驚くという意味です。
中学受験生の実態を把握するうえで、本郷中学が公表して下さる「正答者数」は、最高レベルの貴重な資料です。
本年度第1回で、それほどの難問ではないにもかかわらず、正答者数の低かった問題が、大問4(2)です。
「場合の数」です。
「3回Aを経由する」ということは、2回ごとにAに戻ってくる必要があります。
「どこへ行ってから戻ってくるのか」が、毎回2通りあるので、2×2×2×2=16通りなのですが、これが8%しかできていません。
なぜかというと、パターン通りの定番問題ではないからです。
続く、大問4(3)も、通常の道順の問題と同じ要領で解けるように、とても親切なヒントが書いてあるのに、23%しかできていません。
もし、通常の道順問題であれば、60%は超えているはずです。
定番問題には滅法強く、カバリエリの定理まで知っている一方で、少しパターンをはずされると、解けなくなってしまう、という傾向が、明確に出ています。
それでも、学校が、大問4(2)(3)のような問題を、親切なヒントを添えてまで出題し続けているのは、受験生に改善を強く求めているということです。
今後の対策には、(3)のセリフと図を、十分に味わうことが大切です。
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