目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~6) |
「対策」 |
(1)入試結果
法政第二中学2021年第1回・算数は、やや点数高めの結果となりました。
2021年 | 受験者平均点 | 合格者平均点 |
男子 | 70.7 | 87.5 |
女子 | 70.8 | 88.2 |
(法政第二中学ホームページより引用・算数100点満点)
(2)出題分野
ほぼ全ての分野から出題されています。
「立体図形」は、大問2問をあてて、重点的に出題されています。
また、複数の分野を組み合わせた「融合問題」が多いのも、特徴です。
たとえば、大問3は、「立体図形」「規則性」「数の性質」の要素を含みます。
大問5は「点の移動」「角速度」「平面図形」の要素を含みます。
大問6は、「立体図形」の問題ですが、実質的には「平面図形」の問題です。
多面的な観察力を試していると考えられます。
(3)難易度
本年度は、難度控えめで、高得点の競争となりました。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算の工夫 | C |
(2) | 計算問題 | A |
(3) | 単位換算 | B |
大問2 | ||
(1) | 速さと比 | B |
(2) | 和と差・消去算 | B |
(3) | 平面図形と比 | C |
(4) | 場合の数 | B |
(5) | 和と差・つるかめ算 | B |
(6) | 約束記号 | B |
大問3 | ||
(1) | 立体図形・規則性 | C |
(2) | 立体図形・規則性 | C |
大問4 | ||
(1) | 割合・食塩水 | B |
(2) | 割合・食塩水 | D |
(3) | 割合・食塩水 | D |
大問5 | ||
(1) | 点の移動 | B |
(2) | 点の移動 | C |
(3) | 点の移動 | D |
大問6 | ||
(1) | 立体図形 | C |
(2) | 立体図形 | D |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1(1)「計算の工夫」
363×(2-0.1-0.01)÷189=363×1.89÷189=3.63(答)
(2)「計算問題」
(3)「単位換算」
1時間30分+2時間50分+20分=4時間40分=4と2/3時間(答)
大問2(1)「速さと比」
A7分の道のりをBは5分
よって、A速:B速=5:7
75÷5×7=105m/分(答)
大問2(2)「和と差・消去算」
よって、
A1=370円(答)
大問2(3)「平面図形と比」
三角形ABCから、角の3つの三角形を引きます。
大問2(4)「場合の数」
4×4=16通り(答)
大問2(5)「和と差・つるかめ算」
(5×36-112)÷(5-1)=17枚(答)
大問2(6)「約束記号」
▲と●を取り違えないように、気をつけましょう。
以上、大問2は、基本問題です。満点を目指しましょう。
大問3「立体図形・規則性」
(1)1+3+6+10+15+21=56㎤(答)
(2)(1+2+3+4+……+10)×6=330㎠(答)
大問4「割合・食塩水」
(1)2%100gと12%150gを混ぜて8%(答)
(2)水200gとC100gを混ぜると2%なので、Cは最終的に6%になっている。
Bは12%100gと8%300gを混ぜて9%になっている。
9%100gと「あ」150gを混ぜて6%
になるのだから、「あ」は4%(答)
(3)B9%300gとC6%150gを混ぜると、食塩は27+9=36g(答)
大問5「点の移動」
(1)Pは1秒で30度、Qは1秒で45度より、45-30=15度(答)
(2)直角二等辺三角形の部分をOQに対して線対称移動すると、斜線部分の面積合計は、中心角45度のおうぎ形になります。
4×4×3.14×1/8=6.28㎠(答)
(3)「ただし整数で答えなさい」という条件がついています。
もし、PとQがなめらかに移動するのであれば、時計算の要領で初めて垂直になるのは、3.6秒後となります。
ところが3.6を整数で表すことは不可能なので、ここで、PとQはなめらかに移動するのではなく、1秒ごとに、12等分点や8等分点をパッパッと移ることがわかります。(そのような目で、問題文の冒頭を読み直すと、確かにそのように読めます)
要するに、整数秒だけチェックすれば良く、しかも、PとQが90度になる可能性があるのは、偶数秒後だけです。(奇数秒後だと、45度の1の位の5がじゃまをして、90度になりません。)
よって、6秒後と18秒後(答)
大問6「立体図形」
糸がかかっている部分の面だけを取り出した、展開図をかきます。
三角形の相似(ピラミッド相似)によって、求めることができます。
・大問1~3について
かなり基本的な問題なので、満点を目指したいところです。
塾のテキストで、基本問題を確認しましょう。
・大問4~6について
大問4の食塩水問題は、操作の回数が多く、また、後ろの操作結果から逆算しなければならないこともあり、理論的に易しいわりには、混乱しやすい問題です。
解いている途中で、今、何を求めていたのか、分からなくなってしまうのです。
流れ図を上手に書くとか、自分なりの方法で、整理できるようにしましょう。
手間のかかる問題でミスを抑えるのは、法政第二対策として、最も重要なテーマの一つです。
大問5は、点がなめらかに動くのか、とびとびに動くのか、もう一つはっきりしないまま、最後のただし書きでようやくわかる問題です。
大問5(3)が、最も意味がとりにくい難問だったかと思われます。
ここを捨てて、先に大問6に進むと、こちらは解きやすく、計算もラクで、合計点を伸ばしやすかったのではないでしょうか。