目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~5) |
「対策」 |
(1)入試結果
前年度と、ほぼ同じです。
受験者平均点 | 合格者平均点 | |
2020年 | 65 | 78 |
2019年 | 61 | 75 |
(城北中学ホームページより引用・算数100点満点)
(2)出題分野
「速さ」「規則性」「平面図形」「立体図形」「割合」「場合の数」など、全体から、まんべんなく出題されています。
特に、大問4「規則性」は、数表の立体版という、ユニークなオリジナル問題です。
(3)難易度
前半は標準的な問題で、後半、徐々に難しくなっていきます。
やはり、大問4が、初見の問題となりますので、難しかったのではないかと思われます。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度は、レッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 計算問題 | A |
大問2 | ||
(1) | 割合・濃さ | B |
(2) | 平面図形・角度 | B |
(3) | 割合・仕事算 | B |
(4) | 場合の数 | C |
(5) | 平面図形 | C |
(6) | 平面図形と比 | C |
大問3 | ||
(1) | 速さ・流水算 | B |
(2) | 速さ・流水算 | B |
(3) | 速さ・流水算 | C |
(4) | 速さ・流水算 | C |
大問4 | ||
(1) | 規則性・数表 | B |
(2) | 規則性・数表 | C |
(3) | 規則性・数表 | D |
大問5 | ||
(1) | 立体図形・切断 | C |
(2) | 立体図形・切断 | C |
(3) | 立体図形・切断 | C |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1「計算問題」
0.125=1/8、0.375=3/8、0.625=5/8などは、必須知識です。
大問2(1)「割合・濃さ」
食塩の重さを、濃さで割ると、食塩水の重さになります。
300×0.04+100×0.06=18g
18÷0.08=225g……最終的な食塩水の重さ
300+100-225=175g(答)
大問2(2)「平面図形・角度」
180-90-50=40
(180-40)÷2=70、180-70=110度(答)
大問2(3)「割合・仕事算」
全体の仕事量を10×12=120と設定します。
(120-4×8)÷8=11
8+11=19日(答)
大問2(4)「場合の数」
赤は青から発生します。
白は赤と青から発生します。
青は白と青から発生します。
たとえば、2個のおはじきの並べ方は
の5通りです。
2個目の赤は、1個目の青からしか発生しませんから、1個目の青の個数(1個)を受け継ぎます。
2個目の青は、1個目の白または青から発生しますから、1個目の白の個数(1個)と青の個数(1個)の和である2個となります。
この要領で、表を作ります。
1個並べる | 2個 | 3個 | 4個 | |
赤 | 1 | 1 | 2 | 4 |
白 | 1 | 2 | 3 | 6 |
青 | 1 | 2 | 4 | 7 |
合計 | 3通り | 5 | 9 | 17 |
表より、17通り(答)
大問2(5)「平面図形」
2つの円が交わっているときの、中心と交点を結ぶと、正三角形が2個できます。
よって、1回交わることによって、周りの長さは、120度分消滅します。
両端の2個の円は、消滅部分が120度であるのに対し、中間の3個の円は、2回ずつ交わるので、消滅部分は、240度、すなわち、露出部分の合計は120度です。
240×2+120×3=840度
6×3.14×840/360=43.96cm
大問2(6)「平面図形と比」
AP:PC=1:3、8×1/4=2cm(答)
BR:RC=1:4、RS:SC=1:2
4×2/3=8/3、(5-8/3):8/3=7:8(答)
大問3「速さ・流水算」
(1)15:(24-15)=5:3
14.4×5/8=9km(答)
(2)15×8/3=40km(答)
(3)太郎と次郎の出会いの時間は、上りと下りが入れ替わっても、同じです(川の流速は打ち消し合うから)
よって、15分で14.4÷2=7.2km=7200m進みます。
7200÷15=480m/分(答)
(4)太郎君のAからBへ向かうときの分速は、14400÷24=600m/分
(600-480)÷2=60m/分(答)
大問4「規則性・数表」
(1)1段上がると、25大きくなります。
9+25×2=59(答)
(2)2020÷25=80あまり20
よって、1段目の20の真上で、81段目にあります。(81,4,5)……(答)
(3)前の小問2問から明らかなように、25で割ったときの商は、段数-1となり、あまりは、1段目のどのマスの真上にあるかを示します。
(3,1,オ)は、25で割ったときに、あまりが1,2,3,4,5のどれかになります。
(7,カ,5)は、25で割ったときに、あまりが5,10,15,20,25のどれかになります。
(キ,1,4)は、25で割ったときに、あまりが4になります。
そのような組み合わせは4+25しかありません。
よって、オ=4、カ=5、
(25×2+4)+(25×6+25)=25×9+4より、キ=10(答)
大問5「立体図形・切断」
(1)立方体全体から、4すみの三角すいを除きます。
3×3×1/2×3×1/3×4=18
3×3×3-18=9㎤(答)
(2)飛び出している三角すいは、ア(またはイ)の三角すいと、相似比1:2です。
よって、体積比は1:8です。
アを基準にすると、全体8のうち、4が飛び出し、8-4=4が重なっているということになります。
9×4/8=4.5㎤(答)
(3)8×2-4=12……ウの体積
12÷4=3倍(答)
超難問が出題されているわけではありませんが、中学受験・算数の重要なテクニックを知らないと、あるいは、とっさに思い出せないと、相当に苦戦するであろう問題が、多数、出題されています。
具体例1:たとえば、大問3の流水算です。川のような流れのある状態で2そうの船が出会う場合、上りと下りで川の流速が打ち消し合う結果、出会いの時間に川の流速は関係なくなります。
このこと自体は、言われれば「知っています」ということになるのでしょうが、本問のような応用問題の中で、この知識を使えるか?というと、それはそれで、別問題です。
基礎知識が本当に身についているかを確認するのに、最適な問題です。
具体例2:たとえば大問2(5)なども、興味深い問題です。
「角度が分かっていないから求められない」
と思ったとき、どのように対処すれば良いでしょうか?
答えは、1つ1つの角度が分からなくても、「角度の和」が分かれば良い、ということになります。
同じような発想の平面図形の問題はたくさんあります。今後、出題の可能性があるでしょう。練習しておく価値があります。
具体例3:大問5(2)(3)の立体図形も、まともに体積を求めに行くと、時間がかかります。
相似比と体積比の関係を利用して、効率よく解きたいものです。
ほかにも、フィボナッチ数列の要領を転用した大問2(4)、剰余系の知識を使うと簡単に解ける大問4なども出題されています。
過去問がそのまま出題されることは、期待できませんが、テクニック部分の再出題はありえます。
知らなかった人、とっさに思いつかなかった人は、これを機会に、他の問題でも練習しておきましょう。