テストのたび、圧倒的に豊富なデータでお子様の現状を分析してくれる、日能研。
その中でも、偏差値と順位、平均点からは、目が離せません。
ところが、
「偏差値の推移が、何か変」
と、感じたことはありませんか?
「学習力育成テスト(旧カリテ)では、成績が下がっているのに、公開模試では、上がっています。なぜでしょうか?」
というご質問をいただくことがあります。
普通、逆ですよね。
出題範囲が指定されていて、お約束通りの問題が出題される育成テストは、パターン暗記で乗り切れる。
でも、範囲無制限、初見の問題が出る公開模試では、対応できずに、成績が下がる。
このような悩みであれば、理解不足が原因と考えられるので、暗記勉強から脱却すれば、克服できます。
でも、逆。
範囲無制限の公開模試の方が、成績が良い。
これには、どのような原因が考えられるでしょうか?
日能研のカリキュラムの特徴は、同じ単元をまとめて勉強する点にあります。
たとえば、
「数の成績」が、4回(4週間)続く。
「比」が、4回続く。
「平面図形」が、4回続く。
「速さ」が、4回続く。
といった具合です。
他の大手塾では、毎週、分野が変わり、続くとしても、せいぜい2回(2週間)なのに比べると、この点が異なっています。
すると、「数の性質」は得意だけれども、「平面図形」は苦手、というタイプの子は、「数の性質」を勉強していた月の育成テストで好成績を修めますが、「平面図形」の月は、苦戦します。
表面上、成績が下がっているように見えます。
これに対し、公開模試は、全分野まんべんなく出題されるので、得意、不得意は相殺されます。
もし、勉強が順調に進んで、理解力、思考力が上がりつつあるならば、公開模試の成績はこれを反映し、上がるでしょう。
育成テストと公開模試の成績が、別々に推移するのは、このような原因が考えらえます。
結局、公開模試の成績が上がりつつあるのであれば、勉強は順調です。
このような場合、勉強方法自体は間違っていないので、あわてることはありません。
ただし、「平面図形」が苦手であることも確かです。
苦手の原因を突き止めて、克服しましょう。