目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~4) |
「対策」 |
(1)入試結果
年度 | 受験者平均点 | 合格者平均点 |
2025 | 46.9 | 55.2 |
2024 | 48.6 | 58.3 |
2023 | 61.7 | 76.4 |
2022 | 50.7 | 60.7 |
2021 | 45.8 | 55.8 |
2020 | 38.6 | 49.5 |
2019 | 51.0 | 64.6 |
(開成中学ホームページより引用・算数85点満点)
(2)出題分野
「単位換算」「割合」「速さ・進行グラフ」「立体図形」から出題されています。
「速さ・進行グラフ」の問題は、実質的には、「論理推理」の問題です。
(3)「難易度」
全体的には難しい年度でしたが、易しい問題も出題されていて、捨て問との区別が明確です。
「出題分野&難易度マップ」を掲載いたします。(難易度は、レッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 単位換算 | C |
(2) | 割合 | C |
大問2 | ||
(1) | 論理パズル | B |
(2) | 論理パズル | E |
(3) | 論理パズル | E |
大問3 | ||
(1)(a) | 速さ・進行グラフ | C |
(1)(b) | 速さ・進行グラフ | C |
(1)(c) | 速さ・進行グラフ | E |
(2) | 速さ・進行グラフ | E |
(3) | 速さ・進行グラフ | E |
(4) | 速さ・進行グラフ | E |
(5) | 速さ・進行グラフ | E |
大問4 | ||
(1)アイウエ | 立体図形 | B |
(1)オカキ | 立体図形 | C |
(2) | 立体図形 | C |
立体図形 | E |
それでは順に見ていきましょう。
大問1
(1)「単位換算」
(2)「割合」
いずれも基本問題です。
(1)では、なるべく整数で処理したいところです。単位はcmで統一すると良いでしょう。
大問2「論理パズル」
(1)は練習。
(2)は、かなり難しくなります。
1+2+3+4=10は、経験的に体で覚えているでしょう。
そうすると、各行に2種類ずつ配置できれば、20ポイントになることも、思いつきます。
30ポイントは更に難しくなります。
(1)図3が35ポイントであることから、これを改造して5ポイント減らせないか検討します。
すると、図3の「7」を4行目に移動し、1~5のかたまりをそのまま上に1行ずらすと、30ポイントになります。
(3)は、更に難しくなります。
ここで参考になるのが、(2)の20ポイントの場合です。
マス目の個数が「9」の長方形はないので、各行、最低でも2種類は必要です。
ということは、各行とも2種類にそろえた20ポイントの場合が、ポイントの最小値になります。
これを観察すると、8、7、6といった大きな長方形が横に平べったく並んでいることに気づきます。
各行の種類数を抑える効果があるわけですね。
この真逆を行けば、最大値になるでしょう。
つまり、なるべく縦に細長い長方形を多用すれば、各行の種類数が大きくなり、ポイントも大きくなるというわけです。
とはいえ、7と5は素数なので、1×7、1×5の長方形しか作ることができず、従って、縦にすることはできません。
どうしても、行ごとの種類数を減らしてしまいます。
そこで、この2つは、なるべく影響の小さい1行目、2行目に配置するのが良いということになります。
また、8や6は2×4、2×3に分解して、縦に細長く配置すると、各行の種類数が増え、ポイントが大きくなります。
これらの傾向を頭に入れて、あとはすき間を調整します。算数の発想法・「傾向判断」にリンク→
大問3「速さ、進行グラフ」
(1)(a)(b)はすぐわかるでしょう。
でも、易しいのはここまで。(c)は難問で、(c)が解けなければ、以下全滅という過酷な問題です。
本問は、一応「進行グラフ」の問題ですが、難しいのは、進行グラフの読み取りではありません。
本質的には「論理推理」の問題であり、カギは「場合分け」「規則性~周期の発見」にあります。
ポイントは、問題文の「のぞみさんが8回目に地点Bに着いたとき、同じ道で前を進んでいたひかりさんに追いつきました」という条件です。
本問の周期は、「ア→」「←イ」「ウ→」「←ア」「イ→」「←ウ」です。
1つの周期でBに3回着きます。
8回目にBに着くのは、3周期目の2回目、すなわち「ウ→」です。
「ウ→」が現れるのは、各周期のちょうど真ん中なので、のぞみさんにとっては、2.5周期にあたります。
(前半の「ア→」「←イ」「ウ→」と、後半の「←ア」「イ→」「←ウ」は、時間的には同じです)
このとき、光さんも「ウ→」でBに着いたこと、のぞみさんの方が速いことを考えると、のぞみさんにとっての2.5周期は、光さんにとっての1.5周期か、0.5周期ということになります。
このうち、のぞみさんが2回目と5回目に地点Bに着いたとき、ひかるさんに出会うのは、1.5周期の方です。
のぞみ2.5周期=ひかり1.5周期
ここから、
のぞみさんの速さ:ひかりさんの速さ=2.5:1.5=5:3
がわかります。
これで、(1)(c)以下の問題が解けるようになります。
大問4「立体図形」
本問は誘導文がなかったら超難問かもしれませんが、誘導文のおかげで、大問2、3などに比べると、易し目の問題になっています。
「30度、60度、90度の直角三角形」「三角形の合同条件」「三角形の相似」など、典型的な知識を用います。
全体的には、難しい年度でした。
受験者平均点46.9/85、合格者平均点55.2/85は、かなり厳しいと思います。
ただ、易しい問題は徹底的に易しく、捨て問とそれ以外の問題の違いが、明確です。
易しい問題でミスをすると、即アウトでしょう。
単位換算などは、大手塾の最上位クラスではほとんど説明がない場合もあります。
「自分で勉強して下さい」ということのようです。
結果、単位換算に関しては、2番目のクラスの平均点の方が高かったりします。
あなどらず、自分でしっかり勉強して下さい。
大問2「論理パズル」は、一見、4年間(?)の受験勉強が全く役に立たないようにも思えます。
「これまでの勉強はなんだったのか?」
と、がっかりしてしまうかもしれません。
が、そのようなことはありません。
各論の本文中で述べた「傾向判断」は、ふだんの受験勉強の中で養われる能力です。
ふだん、典型的な知識問題を解いている最中にも、「傾向判断」について思いを巡らせている人の勝ちです。
大問4「立体図形」は、誘導文がないと、とても難しい問題です。
誘導文をいかに読みこなせるかの勝負です。
とはいえ、これは国語の読解力とは、かなり異なります。
算数の論理の組み立て方がわかっていれば読み取れるし、わかっていないと、たとえ国語が得意でも、読み取れません。
「中学校の幾何の証明」について、ある程度勉強していると、有利です。
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