光塩女子学院中等科の算数は、例年、計算問題から始まり、「平面図形」「割合」「点の移動」「規則性」「グラフ読み取り」などが、よく出ています。とりわけ、「進行グラフ」「注水グラフ」が頻出です。
逆に、中学入試特有の特殊算(和差算、つるかめ算)などは、あまり出ません。
各単元ごとに、くわしく見ていきましょう。
「計算」は、小数を分数に変える問題が出ます。
などは、知識化しておきましょう。
「平面図形」は、円関係の問題が多く、多角形単独での出題は、あまり見られません。中学入試で頻出の「三角形の相似」「底辺比と面積比」などは、あまり出ません。
「点の移動」「グラフ」については、光塩の特徴がもっともよく出ています。つまり、
など、変化の様子をグラフから読み取る問題がよく出ます。
グラフは、直線が2本交わると、「相似の三角形」ができます。
平面図形では三角形の相似があまり出ない分、グラフの方で出るわけです。
また、速さが途中で変わると、「速さのつるかめ算」になることがあります。
中学入試特有の特殊算はほとんど出ないのですが、速さ、グラフの融合問題の中に、さりげなく混ぜているというわけです。
さらに、変化の様子をグラフで視覚化すると、「最大、最小、回数」が一目瞭然ですから、これらもよく出ます。
1、理解の伴う勉強をしましょう
理解するといっても、何をどう理解すればよいのかが、問題です。ズバリ、
を理解しましょう。
速さ、水量(仕事算)、パン1個あたりの値段、正方形1個あたりの面積、1日の腕立て、腹筋の回数などの問題は、それが塾や過去問集でどの単元に分類されているとしても、「単位あたりの量」の問題です。
近年の中学入試問題は、倍数算(連立方程式)、比を使った解き方(媒介変数表示)など、中学高校の数学を取り入れ、難化しています。
でも、本来の中学入試問題は、小学校の算数の教科書にかなり忠実で、「単位あたりの量」を重視していました。
今でも、文部科学省の影響が強い筑波大駒場中のような国立中学では、「単位当たりの量」が、重要テーマとなっています。
光塩の出題傾向に対しては、実は、学校の教科書の本当の意味での理解が、もっとも有効な対策です。
2、グラフに慣れましょう
「単位当たりの量」の問題は、「グラフ」に表して解くことに、適しています。とても相性がいいんですね。
だから、光塩では、「グラフ」がよく出ます。
「速さ(進行グラフ)」を例にとって、考えてみましょう。
の公式のうち、
に対応しています。
この対応関係は、中学の数学を勉強した人にとっては、易しいのですが、不慣れな小学生には、難しく感じられるようです。
慣れるためには、以下の2点を意識しながら、グラフの読み書きを練習すると良いでしょう。
「縦と横の両方が計算できるような2点」をさがす練習をしましょう。