攻玉社 算数 対策 2021年


目次
「傾向」 
1、概要
(1)入試結果
(2)出題分野
(3)難易度
2、各論(大問1~4)
「対策」

傾向(第1回)

1、概要

(1)入試結果

 

攻玉社中学2021年第1回・算数は、点数低めの結果となりました。

 

  受験者平均点 合格者平均点
2021年  58.4  67.7
2020年 72 83.6
2019年 59.6 69.3

(攻玉社中学ホームページより引用・算数100点満点)

 

(2)出題分野

 

「点の移動」「立体図形」を中心に、大問2の小問群では「場合の数」「数の性質」「論理」なども出題されています。

 

大問1(3)「約束記号」は、中学数学の因数分解を意識した出題です。

 

大問3(2)では、直角三角形の直角をはさむ2辺の長さの比が3:4の場合、残りの辺の長さが5になることを、問題文の「ただし書き」なしで使用する問題が出題されていて、注意が必要です。(2、各論の該当部分で詳述します)

 

(3)難易度

 

各大問とも、最後の方の小問が、かなり難しくなっています。

 

また、大問2の小問群は、一般的な他校の小問群と比べると、かなり難しい問題が多く、ウオーミングアップ的な問題とは言えません。

 

「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)

 

Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。

 

   出題分野&難易度マップ
大問1    
(1) 計算問題 A
(2) 計算問題 A
(3) 約束記号 B
大問2    
(1) 場合の数 B
(2) 速さ・時計算 C
(3) 数の性質 D
(4) B
(5) 数の性質 C
(6) 論理・植木算 D
(7) 論理 E
大問3    
(1) 点の移動 B
(2) 点の移動 B
(3) 点の移動 B
(4) 点の移動 C
(5) 点の移動 E
大問4    
(1) 立体図形 B
(2) 立体図形 B
(3) 立体図形 B
(4) 立体図形 C
(5) 立体図形 E

 

それでは、順に見ていきましょう。

2、各論(大問1~4)


大問1「計算問題・約束記号」

 

ウオーミングアップ問題です。


大問2(1)「場合の数」

 

「偶数」なので、1の位が「0」と「2」で場合分けです。


大問2(2)「速さ・時計算」

 

時計の長針と短針のつくる角が直角になるのは、一般的には、1時間に2回ですが、2時台は2回目の直角になる瞬間、3時になるので、1回だけです。

 

よって、3時以降、2回目の直角の時刻を求めます。


大問2(3)「数の性質」

 

「一の位」を求める方法は有名ですが、「十の位」は初めてかもしれません。

 

でも、試しに2021を2回、3回かけてみれば、「百の位」以降は、「十の位」の数字に全く影響を与えないことが観察されるでしょう。

 

よって、21をかければ足り、「十の位」は、2→4→6→8→0→2→4……と「24680」を周期としてくり返すことがわかります。

 

33÷5=6あまり3より、周期の3番目の6(答)


大問2(4)「比」

 

兄:弟=3:2で比例配分です。

 

1300÷(3+2)×3=780円(答)


大問2(5)「数の性質」

 

2385-2177=208、2177-2021=156

 

よって、208と156の最大公約数52(答)

 

もともとは難問でしたが、すっかり定番問題になりました。


大問2(6)「論理・植木算」

 

最も極端な場合、9本を端に植え、1本を他の端に植えれば、90mです。

 

でも8本を端に植え、1本を真ん中、残りの1本を他の端に植えれば、45mです。

 

もっと小さくできます。

 

7本を端に植え……

 

最後は、10本を等間隔に並べるときなので、90÷(10-1)=10m

 

本問は選挙の問題と同じです。

 

「最も長い距離」とは、「最も多くの得票数」におきかえられます。

 

「あてはまる数のうち最も小さい数」とは、「最小の得票数」です。

 

つまり、

 

「1人を選ぶ選挙に9人が立候補しました。90人が投票します。最も運が良い場合、最低何票あれば1位(同点1位を含む)になれますか?」

 

という問題と同じです。

 

答えは10票。ただし、9人全員が同点1位で、決着がつきません。


大問2(7)「論理」

 

おもちゃ11個を作るには、A55個、B33個必要。

 

おもちゃ14個を作るには、A70個、B42個必要。

 

仮にBが不足しているとすると、今Bは33~35個あって、35個の場合、7個追加して42個になり、つじつまが合います。

 

99ー35=64個、64+7=71個(答)

 

つまり、今おもちゃが11個しか作れないのは、Bが不足しているからで、Aはまだ余っていることになります。

 

55個と70個の差が7よりかなり多いのは、そういうことです。

 

仮にAが不足しているとすると、7個追加しても足りません(矛盾!)


大問3「点の移動」

 

(1)基本問題です。

 

(2)直角三角形で、直角をはさむ2辺の長さが15cm、20cmのとき、残りの辺の長さは25cmになります。(答)

 

すなわち、3辺の長さの比は、3:4:5です。

 

これは、本来、三平方の定理(ピタゴラスの定理)とルートの計算を用いないと求められません。

 

よって、首都圏の中学受験・算数では、問題文で示されない限り、この知識は使わないというのが、暗黙の了解になっています。

 

ただ、関西では、問題文に示されていなくても、知識として使ってよく、首都圏の学校でも、まれに出題されます。

 

攻玉社の受験生は、勉強しておきましょう。

 

(3)基本問題です。

 

(4)進行グラフをかきます。グラフが重なったとき、長方形になります。

 

(5)(4)でかいた進行グラフが、48秒周期で、24秒の線に点対称になっていることを、利用します。

 

すなわち、24秒までを徹底的に調べれば大丈夫です。


大問4「立体図形」

 

Aは、四角柱の上に四角すいが乗っています。

 

Bは、四角柱の上に円すいが乗っています。

 

Cは、円柱を縦に切り落とした図形の上に四角すいが乗っています。

 

Cだけ、イメージするのが難しいと思われますが、形がわかれば、あとは基本問題です。


対策(第1回)

パッと見は、長文の派手な応用問題もなく、易しそうな印象を受けますが、なかなか手ごわい問題です。

 

大問2の(6)(7)は、本来、大問扱いにして、小問でヒントを小出しにしながら解き進めてもよいような問題です。

 

これを、小問1問として出題されると、ヒントなしで解くことになりますから、厳しいでしょう。

 

ちなみに、大問2(6)では、「極端に考える」という算数の発想法が用いられています。

 

大問2(7)では、「仮定して考える」という算数の発想法が用いられています。

 

大問3「点の移動」では、「対称性を利用する」という算数の発想法が用いられています。

 

攻玉社中学では、算数の発想法を重視していることがうかがわれます。

 

レッツ算数教室では、当ホームページ内

 

「算数の成績を上げるには?」(タップ・クリックできます)

 

の中で、算数の発想法について、くわしくご説明しています。



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