目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~6) |
「対策」 |
(1)入試結果
受験者平均点 | |
2020年 | 51.6 |
(共立女子中学ホームページより引用・算数100点満点)
(2)出題分野
「立体図形」「平面図形」「速さ」を中心に、出題されています。
小問群では、「割合」「数の性質」「消去算」なども、出題されています。
大問6「速さ」では、近年の中学受験・算数で頻出の「相対距離を表す進行グラフ」が出題されている点が、注目点です。
また、大問2(2)「平面図形」では、面積2等分のテクニックが2重に組み合わされています。
知っていれば基本問題ですが、知らない受験生にとっては、超難問です。
(3)難易度
前半は基本問題、後半は応用問題という構成です。
特に、最後の大問6「速さ・進行グラフ」は、かなり難しい応用問題です。
ただし、完全に易しい順というわけではなく、先ほど指摘した大問2(2)のような「ちょっとしたテクニック」を必要とする問題が、所々に埋め込まれています。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度は、レッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 計算問題 | A |
(3) | 計算問題 | A |
大問2 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 平面図形 | C |
(3) | 割合・濃さ | B |
(4) | 速さと比 | C |
(5) | 数の性質 | B |
(6) | 消去算 | B |
大問3 | 平面図形 | B |
大問4 | ||
(1) | 立体図形 | B |
(2) | 立体図形 | B |
(3) | 立体図形 | C |
(4) | 立体図形 | C |
大問5 | ||
(1) | 立体図形・移動 | B |
(2) | 立体図形・移動 | C |
(3) | 立体図形・移動 | C |
大問6 | ||
(1) | 速さ・進行グラフ | C |
(2) | 速さ・進行グラフ | C |
(3) | 速さ・進行グラフ | C |
(4) | 速さ・進行グラフ | C |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1、大問2(1)「計算問題」
0.875=7/8、0.625=5/8、0.375=3/8、などは、必須知識です。
大問2(2)「平面図形」
対角線の交点を通る直線によって、面積が2等分されています。
3×6÷2=9、2×1÷2÷2=0.5
9-0.5=8.5㎠(答)
大問2(3)「割合・濃さ」
食塩水3kgのうち、1kgを水と交換すると、濃さは2/3倍になります。
18%×2/3×2/3=8%(答)
大問2(4)「速さと比」
2/3÷1/2=4/3、1/3÷4=1/12
4/3+1/12=17/12(答)
大問2(5)「数の性質」
8.9×5.2+0.32=46.6
46.6÷8.6=5.4あまり0.16(答)
大問2(6)「消去算」
子どもの金額をきかれているので、おとなの人数を最小公倍数の3にそろえて、消去します。
おとな1人、子ども3人で1500円より、おとな3人、子ども9人で4500円。
(4500-3300)÷(9-5)=300円(答)
大問3「平面図形」
半径が等しいおうぎ形については、まとめて計算しましょう。
大問4「立体図形」
(1)「2」の面を底面として、周囲の壁を起こしていく感じで組み立てると、わかりやすいです。
(2)たての壁は、右から順に3、4、3、4、3です。(答)
(3)向かい合う面の数字の和は7なので、具体的な数字を確定しなくても、和だけはわかります。
7×11=77(答)
(4)なるべく1の面が多く現れるようにします。
前後の面は、同時に1にすることができます。
和7が8組。和2が3組。
7×8+2×3=62(答)
大問5「立体図形・移動」
(1)Fを中心に線分FAが90度回転します。5×2×3.14÷4=7.85cm(答)
(2)Fを中心にFAが90度回転すると、おうぎ形になります。
このおうぎ形の前後には、三角形AEFと三角形ABFがくっついていて、合わせると、長方形AEFB1枚分です。
5×5×3.14÷4+3×4=31.625㎠(答)
(3)(2)で求めた平面を底面とすると、高さは6cmです。
31.625×6=189.75㎤(答)
大問6「速さ・進行グラフ」
(1)共子さんが8分で歩いた距離を、お母さんは4分で走りました。
時間と速さが逆比になることに注意して、
8:4=2:1(答)
(2)共子さんは、600mを12分で歩きました。
600÷12=50m/分(答)
(3)共子さんは、20分間で50×20=1000m歩きました。
1000÷200=5分……お母さんが自転車で走った時間
20-5-12=3分間(答)
(4)50×(12+3)=750m(答)
本年度の問題に関して言えば、大問6「進行グラフ」が読み取れたか否かが、合否に大きく影響したものと思われます。
では、このような特殊な進行グラフを読み取るには、どうすれば良いのでしょうか?
ポイント1:
進行グラフの読み取りでは、グラフが折れている点で何が起きているかを、地図上でイメージできるかが重要です。
8分後から2人の距離がぐんぐん離れているのに対し、12分後からは、離れ方がゆるやかになっています。
これはなぜか?
お母さんの動きが止まったから=お母さんが家に着いたから
このことが読み取れるかが、第1関門です。
ポイント2:
お母さんが家に着いた=この時、家と共子さんの距離も600m
この言い換えができるかどうかが、第2関門です。
ここで初めて、2人の距離(相対距離)以外に、家を出発してからの実際の移動距離(絶対距離)が明らかになり、2人の速さを求めることが可能になるわけです。
相対距離が絶対距離に一致する瞬間
を強く意識することが、この特殊な進行グラフを読み取るコツです。
縦軸が相対距離を表す進行グラフは、現在、他の学校も含めて頻出です。
レッツ算数教室でも、特に力を入れている単元のひとつです。