武蔵 算数 対策 2018年


傾向

武蔵2018年算数は、例年通りの出題傾向、難易度でした。

 

「三角形の相似」「速さ」「ルール指定・規則性」など、いかにも武蔵らしい問題が並んでいます。

 

大問1(2)「三角形の相似」は、昔であれば、これ単独で大問1つ分の重みがあり、いくつかの小問(ヒント)に分かれていたかもしれません。

 

それだけ、受験生の準備が整ってきたということでしょう。

 

入試問題も進化していきます。

 

それでは、順に見ていきましょう。

大問1

(1)「割合(食塩水)」

 

9%□gと5%200gを混ぜると5.8%。よって、□=50。これを3%に戻すには、3倍の150gにすればよい(答え)

(2)「平面図形」

 

CFをFの方へ延長して、DAを延長した線との交点をGとします。

 

また、Aを通り、辺CDに平行な直線が、BCと交わる点をHとします。

 

AB=3、BC=5とすると、三角形EBC:三角形EAG=EB:EA=5:3より、AG=3。

 

三角形ABHは正三角形であるから、BH=2。よって、HC=AD=2。

 

よって三角形FBC:三角形FDG=1:1。

 

よって、三角形CDFの面積は、三角形CDGの面積の2分の1になります。(2+5):(2+3)÷2=7:2.5=14:5より、5/14倍(答え)

大問2「速さ」

 

3両の時は、見える時間41秒と見えない時間7秒をくり返します。

 

5両の時は、見える時間は44秒。で、見えない時間は……書いてありません。

 

列車が長くて、トンネルからはみ出してしまい、見えない時間はなかったのか?

 

はたして、見える時間と見えない時間の和(1周にかかる時間)は、車両の数にかかわらず、一定と言えるか?

 

何となく、5両の方が、早く1周するような気がする。たとえば、ほとんど1周を埋め尽くすぐらい、長い長い列車だったら、「カタッ」と、ちょっと動いただけで、1周するような気がする…

 

 

本番では、極限まで緊張し、集中力も異様に高まっています。

 

普段なら気づかずに通り過ぎる問題にも、一つ一つ引っかかり、混乱が深まるものです。

 

問題文には、「1周にかかる時間」という表現はありませんが、「くり返します」という表現があるので、これが1周にかかる時間です。3両の場合、48秒になります。

 

この「1周にかかる時間」は、3両であれ、5両であれ、列車の先頭が、「同じ地点」を再び通過するのにかかるまでの時間です。

 

列車の速さは、何両つなげても変わらないので、5両の時も、1周48秒。よって、見えない時間は4秒となります。

 

「同じ地点」は、「トンネルの入り口」に設定すると、わかりやすいです。

 

列車2両分(5両-3両)がトンネルに入るのに、7-4=3秒かかる。

 

1両分なら1.5秒。

 

列車の先頭が、トンネルの入り口にさしかかってから、3両分進むのに4.5秒かかり、出口にさしかかるまで、さらに7秒かかります。

 

合計11.5秒が、先頭がトンネルに隠れていた時間、すなわち、69cm進むのにかかった時間です。

  • 69÷11.5=6cm/秒(列車の速さ)。
  • 6×1.5=9cm(1両の長さ)。
  • 6×48=288cm(1周の長さ)。

です。(答え)

大問3「売買損益算」

 

(1)Aの原価をA円、Bの原価をB円とします。

 

A×1.15×14+B×1.12×6=A×16.1+B×6.72(ある日の売り上げ)

 

よって、原価を引いた残り(利益)198円=A×2.1+B×0.72となります。

 

ここで、「1本あたりの原価と定価はともに整数」という条件があるので、Aは20の倍数、Bは25の倍数である必要があります。

 

そこで、A=20、40、60、80…とあてはめていくと、Aは60円、Bは100円のとき、うまくいきます。(答え)

 

(2)「つるかめ算・応用」

 

Aが3本多く売れています。この分は、1本ずつ売った分なので、売れた本数も、利益も、全体から除外して考えます。

 

福袋で売った6本は、1本平均4円の利益。

 

単独で売った分は、A1本とB1本で、合計21円の利益。よって、1本平均10.5円の利益。

 

よって、4円と、10.5円のつるかめ。合計88本。利益合計612円。

 

これより、福袋で売れた本数合計は48本。福袋は8個。(答え)

大問4「ルール指定・規則性」

 

(1)練習です。言われた通りに操作しましょう。

 

(2)4の一つ前を考えるときは、操作の逆向きをします。

 

□+1=4または、(□+1)÷3=4。よって、□=3または11。以下、同様。矛盾のおきないものを残します。

 

(3)(2)までで、規則性をつかむ必要があります。

 

「初めて1になるまでの操作の回数が多い」ということは、「なかなか小さくならない」ということ、すなわち、「3で割ることが少ない」ということです。

 

これを逆にたどるときは、「なかなか大きくしない」、すなわち、「みだりに3倍しない」「なるべく1を引く操作をする」ということになります。

 

対策

難しかった問題は、大問2、大問3(2)、大問4(3)②です。

 

いずれも、いたずらに手間のかかる問題ではなく、算数的な発想を求められる良問ぞろいです。

 

大問2について。

 

大手塾の中には、なるべく図を書かずに式だけで答えを求めるよう指導する傾向のあるところがあります。

 

逆に、速さの問題は、何でもかんでも進行グラフを書かせるところもあります。

 

いずれも、大問2では、うまくいきません。

 

やはり、臨機応変にもっとも適切な図をかけるように、対策しておくべきです。

 

大問3(2)について。

 

A、Bそれぞれについて、つるかめ算が成り立ちそうですが(4段つるかめになってしまいます)、それでは解けません。

 

「3段つるかめ」を「2段つるかめ」にする方法は、教わっているはずなので、そのときの方法を使えないか?と、考えます。

 

算数の重要な発想法が含まれていますが、どれでしょうか?当ホームページ内の「算数の成績を上げるには」の中にある発想法の中から、探してみましょう。



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