目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~4) |
「対策」 |
1~4 |
1、概要
(1)入試結果
武蔵中学2020年度・算数は、例年通りの出題傾向で、難易度はやや易し目だったようです。
受験者平均点は54.5点、合格者平均点は71.9点です。
(2)出題分野
「規則性」「つるかめ算」「割合と比」「平面図形と比」「数の性質」「ルール指定問題」や、これらの融合問題が出題されています。
大問2「平面図形と比」では、武蔵の伝統的な問題(三角形の相似)が真正面から出題されました。
大問3「数の性質」は、5の倍数の性質を利用して解く応用問題が出題されています。
大問4「ルール指定問題」では、およその数(切り捨て)と、不等式の問題が、出題されています。
いずれも、武蔵らしい問題で、武蔵ワールドが展開しています。
(3)難易度
受験者平均点、合格者平均点とも、前年より大きく上がりました。(前年が低めだったこともあります)
大問2の平面図形が、武蔵の定番問題だったことや、大問3,大問4の前半の小問が易しかったことが、平均点の上昇につながったと思われますが、大問3、4とも、後半の小問は、それなりに難しい問題です。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 規則性 | A |
(2) | 売買算・つるかめ算 | B |
大問2 | ||
(1) | 平面図形と比 | B |
(2) | 平面図形と比 | B |
大問3 | ||
(1) | 数の性質 | B |
(2) | 数の性質 | D |
(3)ア | 数の性質 | D |
(3)イ | 数の性質 | E |
大問4 | ||
(1) | ルール指定・不等式 | C |
(2) | ルール指定・不等式 | E |
(3) | ルール指定・不等式 | E |
E問題以外が満点なら、ほぼ合格者平均点です。
それでは、順に見ていきましょう。
2、各論(大問1~4)
大問1
(1)「規則性」
2を1回ずつかけていくと、1の位は、規則的に変化します。
これは、ウオーミングアップ問題です。
(2)「売買算・つるかめ算」
仮にクーポンなしだと、売上は70000円。
それが、クーポン32枚によって、67100円になった。(2900円減少)
ということは、A、Bそれぞれの値引き額のつるかめ算になります。
大問2「平面図形と比」
点Eから辺BCへ垂直な線を引き、交点をGとします。
三角形ABEと三角形ABGは辺ABを底辺と考えて、等積変形の関係にあります。
変形後、三角形ABGをBGを底辺として考えると、台形と高さが共通になり、AD:BC:BG=3:8:5とわかります。
これで、ほぼ解けました。
等積変形や、三角形の相似は、武蔵の定番中の定番問題です。
正答率は高かったと思われます。
大問3「数の性質」
いくつかの数の積を考えるとき、そこに5が含まれていれば、積は必ず5の倍数になります。
5の倍数の1の位は、偶数倍なら0。奇数倍なら5。
偶数×偶数=偶数
偶数×奇数=偶数
奇数×奇数=奇数
以上が、本問を解くのに必要な基礎知識のすべてです。
たったこれだけの基礎知識で、これほどの応用問題が作成できるのです。
「得点が0点ではない」とは、5と偶数が同居していないという意味。
「得点が5点」とは、5と奇数だけから成り立っているという意味。
このように、問題文の条件を、具体的な数字の構成に翻訳していきます。
判断が分かれるときは、場合分け。
そのくり返しで、最後まで解けます。
(3)イの場合分けが、やや手間ですが、実際にやってみると、意外と早く答えがしぼられます。
大問4「ルール指定・不等式」
およその数(切り捨て)が出てくれば、不等式が出てくることは、経験済みでしょう。
たとえば、
「ある数を6で割った商を、少数第1位で四捨五入したところ、商が5になりました。ある数として考えられるものは何ですか?」
という問題は、全員が勉強しています。
これと同じことをすれば良いだけです。
本問は、算数的に難しいというよりも、長い問題文を読みこなし、意味を理解することが難しいというべき問題です。
私が「按分(あんぶん)」という言葉を初めて知ったのは、大学生になってからです。
「比例配分」と言えば、中学受験生にはおなじみの言葉ですが、あえて「按分」と表現して、その意味を説明し、読解力を試しているように思われます。
ここ数年、難関校の問題文が長文化し、算数的読解力を試す問題が激増しています。
単に長いだけでなく、資料や図を合わせて示し、そこから何かを読み取らせる問題も、増加しています。
本問も、その流れを汲む問題です。
1、武蔵では、「平面図形と比」、とりわけ「三角形の相似」が重要であることが、あらためて確認されました。
「三角形の相似」に、何かを追加して出題する、という傾向です。
「三角形の相似」だけでなく、これに関連づけられるツールについても、しっかり準備しておきましょう。
2、また、「数の性質」についての基礎知識も大切です。
大問3の数字替え問題は、くり返されないと思われますが、「傾向」の中で示した基礎知識は、過去にも出題されており、今後も出題されるでしょう。
過去問は、姿形を変えて、くり返されます。
よくおさえておきましょう。
3、不等式では、>か≧かも、重要です。
大問4は、この区別にこだわらなくても解けましたが、しっかり確認しておきたい部分です。
4、最後に、算数的読解力。
国語的読解力とは異なります。
長文問題が出たとき、たじろがないよう、こちらもしっかり準備しておきましょう。
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