2019年の桜蔭・算数は、ほぼ前年度の傾向を踏襲したと言えます。
算数の問題の難しさには、論理的、発想的に難しい場合と、手間のかかる煩雑な問題で、制限時間内に解き終わるのが難しい場合とがあります。
桜蔭の場合、前者の問題も出題されますが、どちらかというと、手間のかかる問題の方が、合否を左右しています。
順に見ていきましょう。
2019年
大問1
(1)計算問題
(2)カレンダーの問題
カレンダーの問題は、日付や曜日が、1日だけズレてしまうことが、非常に多い問題です。
桜蔭の受験生であれば、すべて計算で求める力がありますが、実戦的には、根性で書き出した方が、安全ともいえます。
この程度なら、書き出してもいいでしょう。
(3)トーナメントの試合数
これは、有名な問題をすこしアレンジした問題です。
もともと、次のような問題があります。
「問、50チームが出場する勝ち抜きトーナメントで、優勝チームが決まるまでに必要な試合数は、何試合?」
「答、49試合。なぜならば、1試合で1チームが負けるから、優勝チーム以外の49チームが負けるには、49試合が必要だから。」
これを、本問にあてはめると、1ゲームで2人の敗者が出るので、81人参加なら、(81-1)÷2=40ゲームとなります。
以下、同様。
この理屈を知らなかった受験生は、勝ち抜き表を書いて、大変なことになったかもしれませんが、あまりにも有名な問題なので、おそらく、桜蔭受験生のみなさんは、ご存知だったでしょう。
大問2
(1)植木算 おうぎ形
少々手間がかかりますが、論理的には易しい問題です。特に②は、手間がかかります。
(2)図形の移動
こちらも、①は易しいですが、②は手間がかかります。
コツコツ解けば、桜蔭の受験生なら易しいでしょうが、後は時間との相談です。
大問3 食塩水の濃さ
本問が、2019年の桜蔭・算数で、理論的に最も難しい問題でした。
小問1では、容器Aの食塩水と水100gを合わせると10%になることに気づいたか?
小問2では、つるかめ算であることに気づいたか?
気づかなくても解けますが、解き終わるまでの時間に大きな差がつきます。
合否を分けた問題です。
大問4 変則時計算
問題文の意味をくみ取るのに、少々骨が折れますが、意味さえわかれば、論理的には、易しい問題です。
ただし、長針が168分で1周(360度)するなど、途中、分母が7の分数が現れるので、計算に自信が持てず、つらい場面もあります。
制限時間が迫る中、どこまで落ち着いて解き切れたか、勝負を分けた問題です。
2019年の桜蔭・算数も、理論的、発想的には、それほど難しくなく、手間のかかる問題をいかに上手に工夫したか、スルーしたかが、合否を分けました。
前年度までの傾向通りです。
とはいえ、本番の極度に緊張する中、制限時間内にやり切るのが、非常に難しいことには、変わりありません。
2019年の「どうやっても手間のかかる問題」は、
でした。
大問1(3)のトーナメントは、知識の有無で、時間のかかり方に大きな差が生じたでしょう。
大問3の食塩水問題も、発想次第で、時間のかかり方に大きな差が生じたでしょう。
大問4の変則時計算は、問題文を落ち着いて読めれば大したことはありませんが、最後の問題であり、時間的、精神的余裕がない中の勝負なので、差がついたでしょう。
まとめると、手間のかかる問題に対しては、
の対処方法があります。
日ごろから、手間のかかる作業を効率よくこなす練習を積むことが大切です。
トーナメントの問題は、「ゲーム数を敗者数におきかえて考える」という発想。
食塩水は「等しいものに注目する」という発想。
このような発想を身につけることで、手間を省き、効率的に解くことができます。
「算数の発想法」については、このホームページ内でも、紹介しています。(算数の成績を上げるには)
それでも効率化できない問題は、コツコツ解くか、捨てるか、現場での判断となります。
過去問演習の際にも、時間を測り、本番と同じような緊張感を作り出しながら、判断力を身につけましょう。
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