目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)出題分野 |
(2)難易度 |
2、各論(大問1~10) |
「対策」 |
立教池袋中学2021年第1回・算数は、ほぼ例年通りでした。
(1)出題分野
問題数が多いこともあり(大問10まであります)、様々な分野からオールラウンドに出題されています。
中でも、「立体図形」「割合」は、大問単位で複数問出題されていて、重視されています。
(2)難易度
全体的に標準的な問題が並んでいます。
本年度は、理論面よりも、計算力を重視した感があります。
たとえば、大問3(2)は、理論的にはそれほど難問ではありませんが、計算の工夫をしないと、割り切れず大変なことになります。
必要な式を1本の分数にまとめて、上手に約分できるかどうか?といったことが、合否を分けます。
大問9(2)円柱の表面積も、3.14倍の計算を、いかに少ない回数で切り抜けるか?すなわち、分配法則を使いこなせるか?といった点が、合否を分けます。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 計算問題 | A |
大問2 | ||
(1) | 平面図形 | B |
(2) | 平面図形 | C |
大問3 | ||
(1) | 割合 | B |
(2) | 割合 | D |
大問4 | ||
(1) | 数の性質 | C |
(2) | 数の性質 | C |
大問5 | ||
(1) | 速さ | B |
(2) | 速さ | C |
大問6 | ||
(1) | 割合・食塩水 | B |
(2) | 割合・食塩水 | C |
大問7 | ||
(1) | 立体図形 | B |
(2) | 立体図形 | C |
大問8 | ||
(1) | 規則性 | B |
(2) | 規則性 | C |
大問9 | ||
(1) | 立体図形 | B |
(2) | 立体図形 | C |
大問10 | ||
(1) | 場合の数・道順 | B |
(2) | 場合の数・道順 | C |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1「計算問題」
ウオーミングアップ問題です。
大問2「平面図形」
図のなかには、円Oの中心を頂点の一つとする、半径=半径の二等辺三角形が、3個あります。
40度や65度を一つの角とする二等辺三角形の残りの角を求めていきます。
ある程度、角の大きさがわかったら、「外角の定理」を使って、さらに角を求めていきます。
大問3「割合」
(1)2:3:6.6=10:15:33(答)
(2)5月の降水量が何%かを求めようとしても、割り切れず、分母が29の分数になります。
そこで、5月の降水量を求める式を、すべて分数の形で書き、最後に約分します。
大問4「数の性質」
(1)整数Aと整数Bの最大公約数をG、最小公倍数をLとすると、
A×B=G×L
です。
よって、「あ」×189=63×756、「あ」=252(答)
(2)168と252の最大公約数、最小公倍数を求めます。84と504(答)
大問5「速さ」
(1)時速15km=分速250m
よって、150÷250=3/5分=36秒
15+20+15-36=14秒間(答)
(2)150mを50秒で進めばよいので、150÷50×3.6=10.8km/時(答)
大問6「割合・食塩水」
(1)AもBも一定のペースで入れるので、時間は1分でも10分でも、濃さは同じです。15:45=1:3の比で計算します。
(5×1+9×3)÷(1+3)=8%(答)
(2)食塩水ABを混ぜた食塩水は、常に8%です。
食塩を100%の食塩水と考え、これを20gと8%の食塩水を□g混ぜたら、12%になったと考えます。
(100-12):(12-8)=22:1
20×22÷(15+45)=7分20秒(答)
大問7「立体図形」
(1)前後、左右、上下はそれぞれ等しいので、2倍します。
(2)立方体以外は、三角柱と三角すいです。
三角柱(5個)は立方体の1/2、三角すい(2個)は立方体の1/3です。
大問8「規則性」
2行(40マス)まとめて1つのグループとします。
(1)9÷2=4、40×4+13=173(答)
(2)235÷40=5あまり35……第6グループ35番目
2×5+2=12……「あ」
40-35+1=6……「い」(答)
大問9「立体図形」
(1)12/36:6/9:1/4=4:8:3(答)
(2) |
847.8-36×3.14×2=621.72……側面積合計 |
12×3.14×「4」+ |
6×3.14×「8」+ |
4×3.14×「3」 |
=「108」×3.14=621.72 |
「108」=198 |
「15」=27.5cm(答) |
大問10「場合の数・道順」
定番問題です。(2)は斜めの道もありますが、意味がわかっていれば、十分対応できるでしょう。
立教池袋2021年・算数は、計算力が、合否を分ける一つのポイントでした。(大問3(2)、大問9(2)など)
ここで言う「計算力」とは、必ずしも計算問題を解く計算力ではありません。
応用問題を解く中で、計算が効率的に行えるように、工夫する力を意味します。
レッツ算数教室では、当ホームページ内
「算数の成績を上げるには?>使える計算力、使えない計算力」(タップ・クリックできます)
の中で、さらにくわしくご説明しています。