2018年・芝中第1回算数は、かなり易しい出題となりました。
大問1の計算問題こそ、例年通り、かなり手間のかかる問題でしたが、大問2以降の応用問題で、難問というほどのものは、出ませんでした。
案の定、合格者平均点は、はね上がりましたが、その割に、受験者平均点はそれほど上がらず、両者の点差が22点。大差がつきました。
芝中合格は、算数が決め手であることが、再認識されるとともに、芝中第1回の受験生が、あまり同質的ではないということも、浮彫りとなりました。
順に見ていきましょう。
大問1 計算問題
芝中らしい計算問題。長いです。計算しているうちに、自分が今、どの部分の計算をしているのか、見失わないように注意しましょう。
大問2 平均算(計算の工夫)
すべて足して、10で割ればよい。4年生でもできます。
でも、それでは、あまりにも芸がありません。せめて、15より大きい部分だけを足しましょう。時間の大幅な節約になります。
大問3 割合(食塩水)
最後に、A5%300gとB?%100gを混ぜたら、5.5%400gになります。ここから解くのが、ポイントです。
大問4 比・相当算
C君の残りの金額を①円とおいて、B君、A君の残りの金額を表しましょう。
この年、この回の問題の中では、比較的難しかった問題です。
大問5 数の性質・素因数分解
この問題は、通常、「1~30までのすべての整数をかける」「1~2018までのすべての整数をかける」となっていて、解法暗記をしている受験生が多いのです。
ところが本問では、「18~30」「2006~2018」となっているため、戸惑った受験生もいたでしょう。
解法暗記に走らず、「なぜその方法で解けるのか?」を理解していたかどうかで、決定的な差がつきます。
理解している人にとっては、簡単な問題なので、合否を分ける問題でした。
大問6 平面図形(相似比・面積比)
芝中の平面図形がこれほど易しいとは、少々驚きですが、2018年限りの大サービスにすぎないと、覚悟しておきましょう。
もし、この問題で引っかかるとしたら、平行四辺形と三角形の面積比を求める時、2で割るかどうかでしょう。
三角形どうしの面積比であれば、(直角でなくても)2辺の長さをかければ、ただちに面積比が求められます。
でも、平行四辺形がからんでくると、様相が異なってきます。三角形の方は、2で割らなければなりません。
ここも、解法暗記の受験生が間違えやすい部分です。
合否を分けた問題でしょう。
大問7 速さ・つるかめ算
つるかめ算であることが見抜ければ、何ということもない問題です。
「どのようなケースでつるかめ算になるのか?」という理解が、問われます。
大問8 規則性(周期)
周期を6と考えると、少々手間取りますが、周期を12と考えれば、易しいです。
(2)は、計算で解くと、ミスしやすいでしょう。かといって、全部書き出すのは、時間がかかります。
理論的には簡単でも、ミスしやすい、手間がかかるという意味で、最も難しい問題でした。
大問9 立体切断・体積
オーソドックスな立体切断の問題です。
「四角柱斜め切り」の問題として解いてもよいし、下から3分の2の高さの水平面で切り分けて、別々に体積を求めてもよいでしょう。
大問8(2)の次に、難しかった問題です。
算数は100点満点で、受験者平均点は55.1点。合格者平均点は77.1点。22点の大差がついてしまいました。
例年だと14点ほどです。これは何を意味しているのでしょうか?
例年は、かなりの難問も出題されているため、優秀な層の受験生も、点数を伸ばせないが、今年ほど易しいと、どんどん点が取れる。
これに対し、暗記に頼っている受験生は、この程度の問題でも、55点くらいしか取れない、ということです。
「概要」でも指摘しましたが、大問5、大問6は、理解している受験生と解法暗記の受験生とで、大差がつく問題です。
この2問の配点が、20点近かったということではないでしょうか?
そうであるならば、対策は明らかです。「解法暗記をやめ、理解の伴う勉強に努めること」に尽きます。
「塾が、裏技的な便利な解法を教えているところ」が合否を分ける、と言ってもよいです。
そのような問題が、出題者にねらわれています。
裏技を知っているだけで、理解している気にならないよう、心がけましょう。
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