目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~6) |
「対策」 |
(1)入試結果
品川女子2021年第1回・算数は、点数高めの結果となりました。
受験者平均点 | 合格者平均点 | |
2021 | 59.2 | 72.9 |
2020 | 46.5 | 60.5 |
2019 | 51.8 | 65.7 |
2018 | 58.1 | 72.2 |
(品川女子中学ホームページより引用・算数100点満点)
(2)出題分野
大問1~3は、小問で様々な分野から出題されています。
大問4~6は応用問題で、「売買算」「2進法」「円周率」が出題されています。
(3)難易度
序盤、中盤は基本的問題で、終盤は難しい問題も出題されています。
全体的に、定番問題は小問で、序盤に出題し、初見で解く問題は、大問として、終盤に出題する傾向にあります。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 計算問題 | A |
大問2 | ||
(1) | 割合 | B |
(2) | 集合 | B |
(3) | 場合の数 | B |
(4) | 速さ | B |
(5) | 立体図形 | B |
大問3 | ||
(1) | 比 | B |
(2) | 割合 | B |
(3) | 規則性 | C |
(4) | 平面図形 | C |
大問4 | ||
(1) | 売買算 | C |
(2) | 売買算 | C |
大問5 | ||
ア | 2進法 | B |
イ | 2進法 | B |
ウ | 2進法 | B |
エ | 2進法 | C |
オ | 2進法 | C |
大問6 | ||
(1) | 円周率 | B |
(2) | 円周率 | B |
(3) | 円周率 | D |
(4) | 円周率 | D |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1「計算問題」
ウオーミングアップ問題です。
大問2(1)「割合」
シュークリーム8個が960円に相当します。
大問2(2)「集合」
オス | メス | 合計 | |
牛 | ① | ①ウ | ア |
羊 | エ | 378 | |
合計 | 450 | イ | 1100 |
ア→イ→ウ→エの順に、求めます。
大問2(3)「場合の数」
りりり・りりみ・りりも・りみみ・りみも・みみも
6通り(答)
大問2(4)「速さ」
180mの往復に6分かかります。10分なら600m(答)
大問2(5)「立体図形」
三角形を底面と考えると、高さ3cmの三角柱です。
大問3(1)「比」
和が208、比が5:21です。
大問3(2)「割合」
48-10が1/3にあたる、というように、逆算して求めていきます。
……以上、ここまで基本的な問題が並んでいます。満点を目指しましょう。
大問3(2)「規則性」
白の直前で区切って、グループ分けします。
白は、1個、2個、3個……と増えていきます。
黒は常に1個です。
グレーは1個、3個、5個……と増えていきます。
その結果、各グループ内の個数は、3個、6個、9個……と増えていきます。
10個目の黒は第10グループなので、第9グループまでの個数の和に、白10個、黒1個を加えた数を求めます。
3×(1+2+……+9)+10+1=146(答)
大問3(4)「平面図形」
頂点3個ごとに線分を引くと、正三角形ができて、角の大きさは60度になります。
これを利用します。
大問4「売買算」
(1)は、基本的なつるかめ算です。
(2)は、売れ残りの30個分について、本来の売り上げと値引き後の売上を比較します。
大問5「2進法」
本問は、2進法、あるいはN進法について、全く知識のない状態で解くと、ルール指定問題となり、問題文の誘導に乗って、解き進める問題になります。
ところが、実際には、2進法、N進法は定番問題であり、おそらく受験生全員が、知識を持っています。
よって、易しい問題とも言えます。
ただし、2進法を10進法に変換する方法や、10進法を2進法に変換する方法を暗記しているだけだと、問題文の意味が分からず、誘導に乗れなくなる可能性があります。
理解が伴っているかを確認する意味で、出題したものと思われます。
大問6「円周率」
(1)(2)は、基本問題です。
(3)式の意味をとろうとすると、混乱します。
「円周率を割ることに、どのような意味があるのか?」
と考えても、よくわかりません。
そこで、次のような、当たり前の式を作ってみます。
円の面積=正方形の面積×円の面積÷正方形の面積
この式の「円の面積÷正方形の面積」の部分を
半径×半径×円周率÷(半径×2×半径×2)
と書きかえると、
円周率÷4
が残ります。(答)
(4)158=200×円周率/4
よって、円周率=158÷50=3.16(答)
大問1~4は、塾の定番問題をマスターすれば、ほぼ対応できるでしょう。
大問5は、自分が用意している解き方、計算方法が、出題者の誘導と異なる場合の、対応力が問われます。
対策は、十分理解した上で、一度それを忘れ、白紙の頭で問題文と向き合うことです。