渋幕 算数 対策 2019年


傾向

渋幕2019年算数(1次)は、例年通りの出題傾向、難易度でした。

 

「場合の数」「規則性」「平面図形」「立体図形」の超難問が、ずらりと並んでいます。

 

順に見ていきましょう。

 

大問1 場合の数

 

5枚のカードのうち4枚を並べる方法は、5×4×3×2×1=120通り。

 

Aさん、Bさん2人で240通り。

 

すべて書き出せば、絶対できます。

 

あとは、いかに効率よく、答えを求めるのに必要な部分だけを書き出すか?という勝負です。

 

千の位で場合分けすれば、1ブロック24通りのかたまりが、5ブロックできます。(2人で10ブロック)

 

これで、大きく場合分けして、見当をつければOKです。

 

(3)が少々難しいですが、千の位と百の位に注目して(そこだけは書き出して)、見当がついたら、残りをすべて書き出せば、うまくいきます。

 

大問2 3進法

 

1段目が一の位。2段目が十の位。3段目が百の位・・・です。

 

特に応用の要素はなく、普通の3進法の問題として解けます。

 

ここは満点で乗り切りましょう。

 

大問3 規則性

 

(1)は練習。(2)が本番です。

 

電車は、8分おきと5分おきですから、周期は40分です。

 

このくらいなら、すべて書き出した方が、速いし安全です。

 

電車の待ち時間は、K駅が7分、6分、5分・・・1分、0分と変化し、そのくり返し。

 

M駅が4分、3分、・・・1分、0分と変化し、そのくり返し。

 

ですから、初めの40分について書き出すといっても、すぐ書き終わります。

 

あとは、両者を見比べるだけ。

 

これを、「進行グラフ」や「数直線」に表して解こう、と考えると、ドツボにはまりそうです。

 

大問4 平面図形

 

(1)①は、DCをCの方へ延長し、ABをBの方へ延長し、延長線どうしの交わる点をFとすると、ズル技(ルート)を使わなくても、うまく解けます。

 

三角形ACDと三角形ACFは、合同。

 

BF:BC=1:2。

 

よって、BF=0.5cmで、ACD=ACF=2.5×1÷2=1.25です。

 

(1)②は、Dを通り、ABに平行な直線がBEと交わる点をGとすると、三角形EDGと三角形EABが相似で、相似比は、DG:AB=0.5:2=1:4です。

 

BG=2より、BE=8/3。

 

よってCE=5/3。

 

難問でした。

 

(2)は、1辺2cmの正方形をしきつめた「碁ばんの目」に、図2をはめこむと、4年生にも解ける定番問題になります。

 

では、どこから、そのアイデアが出てくるか?

 

一つには、問題文に示された長さが、すべて2の倍数であること。

 

一つには、「x」「y」それぞれの角度ではなく、「和」が問われていること。

 

です。この2点から、「ピンっ!」とくるといいですね。

 

特に、長さがすべて2の倍数というところから、

  • 「出題者は、碁ばんの目を書いて、問題を作ったに違いない」
  • 「だから、初めは3cm、1cm、2cmだったのを、これではバレバレだと考えて、すべて2倍して、隠したのだろう」

と想像がつきます。

 

3,1,2とすればいいところを、わざわざ6,2,4としているのは、何か不自然だなあ~と思ったら、そこが攻め口になります。

 

とはいえ、難問です。

 

大問5 立体切断

 

(1)断頭三角柱

 

断頭三角柱の体積は、「底面積×高さの平均」です。

 

(2)三角すい斜め切り

 

これも、公式通りです。

 

ただし、立体ABCD-EFGHの底面を、三角すいに合わせて、BCGFとした場合、「高さはどうなるか?」という難問につき当たります。

 

ここで、(1)をヒントに、立体ABCD-EFGHを、2つの「断頭三角柱」に分解できれば、高さの問題が解決され、道が開けます。

 

超難問です。

対策

算数は100点満点。

 

学校公表の受験者平均点は、39.4点。合格者平均点は53.2点です。

 

渋幕の受験生の平均偏差値を考えれば、いかに難問ぞろいか、おわかりいただけるでしょう。

 

小問単位で全15問。

 

そのうち、手間のかかる難問が、大問1(1)、大問3(2)②。

 

理論的、発想的に難しいのが、大問4全問、大問5(2)②。

 

難問をすべて落としても、約60%得点できます。

 

難問を上手にスルーするのが、対策として最も有効です。

 

2019年1次に関して言うと、大問4、大問5の図形問題は、明らかに突出して難しかったので、これにさっさと見切りをつけ、大問1(3)や大問3(2)②をコツコツ書き出した人は、決定的に優位に立てたと推測します。

 

逆に、「平面図形は得意だから、ここでがんばらないと」といった強い思いは、裏目に出たかもしれません。

 

サピックスで偏差値62、日能研、四谷YTネットで偏差値70ぐらいの受験生でも、多くの人が、今回の図形問題は、解けなかったであろうことが、合格者平均点に表れています。

 

「要領よく、素早く、目ざとく、ミスなく」が、合格のポイントでした。



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