目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~4) |
「傾向」 |
1、概要
(1)入試結果
渋渋2020年第1回算数は、かなりの長文読解問題が出題されました(大問3)。難易度は、ほぼ例年通りです。
学校公表の受験者平均点は、100点満点中49.8点、合格者平均点は60.3点です。
問題文の長文化は、各学校で進んでいます。渋渋でも、会話形式の長文を読みながら、穴を埋めていく問題が出題されました。
会話中に、問題を解くための条件やヒントが示されていて、これを読み取れるかがポイントとなっています。
また、会話の内容は、「点字ブロックの表示方法」に関する「場合の数」であり、国連が採択したSDGs(持続可能な開発目標)の趣旨に沿うものとなっています。
国際性豊かな渋渋の校風を感じさせる出題です。
(2)出題分野
「平面図形」「立体図形」「場合の数」「速さ(点の移動)」「割合(食塩水)」「数の性質」「平均算」「四捨五入」と、多彩な分野から、まんべんなく出題されています。
本年度も、例年通り、「場合の数」「場合分け能力」を重視した出題です。
(3)難易度
例年通りです。つまり、難しいということです。
その分、平均点は低めです。
注目の「長文読解問題」について。
問題文を開いた瞬間は、「いかにもすごそう」ですが、会話文中にヒントが示されているので、精神的に受けるプレッシャーほどには難しくありません。
むしろ、うまく誘導に乗れれば、簡潔にルールを示されて、自分で場合分けする問題よりも、易しいといえます。
従来の問題とは、難しさの意味合いが、異なります。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 数の性質 | E |
(3) | 平面図形・面積 | C |
(4) | 場合の数 | D |
(5) | 割合・食塩水 | C |
(6) | 平均算・四捨五入 | C |
大問2 | ||
(1) | 点の移動 | B |
(2) | 点の移動・面積 | D |
(3) | 点の移動・面積 | E |
大問3 |
場合の数 | E |
大問4 | ||
(1) | 立体図形・回転体 | B |
(2) | 立体図形・回転体 | C |
(3) | 立体図形・回転体 | D |
(4) | 立体図形・回転体・相似 | D |
大問1(2)が、難問です。本問を、当てカンでなく、きちんと証明するとしたら、大問2(3)と並んで、本年度算数第1回中、最も難しいと思われます。
このような問題が、冒頭の計算問題の直後に配置されているということを、心得ておきましょう。
それでは、順に見ていきましょう。
2、各論(大問1~4)
大問1
(1)「計算問題」
(2)「数の性質」
虫食い算、論理パズルと言ってもよい問題です。
2を何倍かすると、1の位は偶数。1にはなりません。
よって、とりあえず、2×5の組み合わせがよいと考えられます。
ということは、とりあえず6以上の整数は、ナシ。
とりあえず、55が最大で、これが正解です。
でも、一抹の不安が残ります。「2+8のように、和が10で1と0になる場合」を、まだ考えていません。
「そのようなことは、あり得ない」と、きちんと証明できると、さらに素晴らしいです。
(3)「平面図形・面積」
半径がわからなくても、半径×半径がわかります。
(4)「場合の数」
4の倍数は、素因数の2が2つ以上。9の倍数は、素因数の3が2つ以上。
このことを利用して、場合分けします。
どのように場合分けするのが効率的かを、考えていきます。
(5)「割合・食塩水」
A、Bそれぞれの重さは、常に等しいので、同じ濃さになるのは、含まれる食塩の重さが等しくなったときです。
(5)「平均算・四捨五入」
平均算としては、簡単な問題です。
あとは、四捨五入の方。「以上、未満」の「未満」の方が問題です。
4.99999……ですが、「所持金は1円単位」という点に注目して、金額の範囲を確定します。
大問2「点の移動・面積」
(1)は、最小公倍数の問題。
(2)から難しくなります。
「正方形の面積を2等分する直線」とは、正方形の中心(対角線の交点)を通る直線です。
両方の正方形の面積を2等分するのですから、両方の正方形の中心を通れば良いことになります。
(3)も難しい問題です。
一つは、点QがFにいて、点PがAB上にいるとき。
もう一つは、点PがAにいるときで、点QはEF上のどこでもOK。
ここまでは、何とか思いつくでしょうし、これがすべてなのですが、「他にはあり得ない」と証明できると、さらに素晴らしいです。
大問3「場合の数」
長文で、合計9個の穴埋め問題です。
問題文中に、「少し大変になるね。」と予告してある通り、ここから先5つの穴が難しいです。
どのようなパターンを1通りと数えるのか、問題文から正確に読み取ることが、大切です。
漏れなく重複なく数えるための、自分なりの方法を、確立しておきましょう。
大問4「立体図形・回転体・相似」
(1)(2)は練習。(3)(4)は、三角形の相似を利用して、必要な長さを求めていきます。
本問は、一見難しそうですが、2つの図面を重ね合わせると、典型的な平面図形の問題(台形対角線切り)となります。
大問3の「少し大変になるね」以降を後回しにして、先に大問4を片づけるというのも、賢明な方法です。
全体的に見ると、出だしの大問1(2)と、中盤の大問2、3が難しく、終盤の大問4は易しいという流れです。
例年通りです。
この2点が重要です。
さらに、今後は、長文問題にも慣れておきましょう。問題文中に、重要なヒントが書いてあります。
「これは地道に数えていくしかないのかな」などは、本来、自分で判断しなければならず、非常に神経を使うところなのですが、出題者が教えてくれています。
「計算でスマートに求める方法があるのかなあ~」
と、悩む必要がありません。
「ひらがなを全種類表すことができないんじゃないかな」「鋭いところに気付いたね」などのやりとりも、正解がひらがなの個数を下回っていることを教えてくれています。
それらを読み取って、上手に解いていきましょう。
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