目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~10) |
「対策」 |
(1)入試結果
合格者平均点 | |
2020年 | 72.2 |
2019年 | 69.1 |
(東洋英和中学ホームページより引用・算数100点満点)
(2)出題分野
問題数が多く、ほとんどすべての分野から出題されています。(「規則性」からの出題はありませんでした)
大問9「速さ・進行グラフ」は、縦軸が「家と姉、家と妹のそれぞれの距離の和」を表しており、珍しいグラフです。
その場でグラフの意味を考える、興味深い問題です。
他にも、円グラフ(大問4)、投影図(大問8)、マトリクス(大問10)など、図表を使いこなす問題が、多数、出題されています。
(3)難易度
序盤~中盤にかけては、基本的~標準的問題が並び、終盤の大問8以降は、かなり難しい応用問題が出題されています。
特に、最後の大問10(2)は、場合分けが必要な難問です。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 計算問題 | A |
大問2 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 数の性質 | B |
(3) | 割合 | B |
(4) | 割合・食塩水 | C |
(5) | 場合の数 | C |
(6) | 平面図形 | C |
大問3 | 平面図形 | B |
大問4 | ||
(1) | 割合 | B |
(2) | 割合 | C |
大問5 | 3段つるかめ | C |
大問6 | 数の性質 | C |
大問7 | ||
(1) | 約束記号・数の性質 | C |
(2) | 約束記号・数の性質 | C |
大問8 | 立体図形 | D |
大問9 | ||
(1) | 速さ・進行グラフ | C |
(2) | 速さ・進行グラフ | C |
(3) | 速さ・進行グラフ | D |
大問10 | ||
(1) | 集合 | C |
(2) | 集合 | E |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1「計算問題」
ウオーミングアップ問題です。
大問2(1)~(3)
引き続き、ウオーミングアップ問題です。
大問2(4)「割合・食塩水」
6%の食塩水と水は、合計300gになります。
両者を加える前に、混ぜ合わせておくと、何%の食塩水300gになるかを、求めます。
4%150gと□%300gを混ぜると、2%450gになります。よって、□=1
よって、6%の食塩水1に対し、水5の割合。
300÷6=50g、50×5=250g(答)
大問2(5)「場合の数」
(663)が3通り、(654)が6通り、(555)が1通り、合計10通り(答)
先に組み合わせを考え、次に並べかえを考えるのが、効率的です。
大問2(6)「平面図形」
296-20×12=56……飛び出た部分
56×2÷8=14……上底+下底
14-5=9、9+3-5=7(答)
大問3「平面図形」
「おイモ算」「葉っぱ率」の問題です。
円4個分から、おイモ6個分を引きます。(3個分引いただけでは、まだ、おイモが白くなりません。)
円周率3.14なので、葉っぱ率は57%です。
大問4「割合」
(1)160人が144/360=2/5=40%なので、全体は400人です。(答)
(2)「その他」は、28÷400=0.07=7%
100-40-30-7=23%(答)
大問5「3段つるかめ」
みかんと柿は同じ個数なので、平均80円です。
これで、80円と130円、合わせて24個で、2220円のつるかめ算です。
大問6「数の性質」
2209を素因数分解します。と言っても、1つめの素因数すら、なかなか見つかりません。
そこで、工夫!
2209が平方数であることを利用します。
40×40=1600、50×50=2500
よって、2009は41~49の整数のどれかを2回かけたもので、1の位の数を2回かけると、積の1の位は9。
43×43=1849、47×47=2209
よって、47(答)
大問7「約束記号・数の性質」
(1)Cは5で割るとあまり0。よって、5の倍数(答)
(2)168をDで割ると、あまり24。
Dは144の約数で24より大きい。
よって、36、48、72、144(答)
大問8「立体図形」
「真横から見た図」の上に飛び出している部分の長さは、16-10=6cmです。
見た目で5cmとしたくなりますが、「正面から見た図」と比べれば、6cmです。
その結果、上に乗っている円柱の1/2の立体は、半径6cmです。
こちらも、「真横から見た図」の5cmにつられて5cmとしたくなりますが、6cmです。
その結果、「正面から見た図」の横幅は、直径の12cmです。
本問の難しさは、「正面」と「真横」の図を比べて、どことどこが対応しているのか、頭の中で合成する点にあります。
大問9「速さ・進行グラフ」
(1)2人が図書館にいるのは、12分後です。
1920÷2=960m(答)
(2)3000ー1920=1080
1080÷9=120m/分(答)
(3)120÷3=40……姉は妹より40m/分速い
120ー40=80
12+960÷80=24(答)
大問10「集合」
(1)クラスが変わった人は全体の6割(60%)なので、変わらなかった人は40%です。
40-12-12×1.5=10%
50×0.1=5人(答)
(2)
長A | 長B | 長C | 合計 | |
少A |
12% 6人 |
④ | [1] | |
少B | ① |
10% 5人 |
ア | |
少C | [1] |
18% 9人 |
32% 16人 |
|
合計 | 偶数 |
赤合計23人。青合計7人。
仮に①=奇数人とすると、長C合計が奇数になり矛盾。
よって、①は偶数人。
①=2人とすると、([1]、ア)は(9、4)(7、6)ですが、青合計は7人、すなわち、[1]は7以下より、(7、6)が正解。6人(答)
円グラフ(大問4)、投影図(大問8)、進行グラフ(大問9)、マトリクス(大問10)と、図表を使いこなす問題が多数出題されています。
これらの図表は、それぞれに特徴があり、それを利用して、問題を解き進めることになります。
よって、対策としては、図表ごとの特徴と利用法を理解することが重要です。
たとえば、マトリクスについて言えば、「合計欄」を上手に使うことがコツです。
大問10には、4マス×4マスのマトリクスが掲載されています。
これは、「マトリクスを使うと、解きやすいですよ」というヒントです。
でも、合計欄が省略されています。
ここを自分で補えるか?すなわち、5マス×5マスのマトリクスに作り替えることができるかが、本問を解く1つのカギになります。(「2、各論」の解説参照)