目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~10) |
「対策」 |
(1)入試結果
東洋英和2021年A・算数は、例年通りでした。
合格者平均点は、以下の通りです。(算数100点満点。東洋英和中学のホームページより引用)
合格者平均点 | |
2021年A |
69.6 |
2020年A | 72.2 |
2019年A | 69.1 |
(2)出題分野
問題数が多いため、ほぼ全ての分野から出題されています。
「平面図形」「立体図形」「消去算」「速さ・進行グラフ」「割合・比」などが、主な出題分野です。
「進行グラフ」では、縦軸が「差」を表す特殊なグラフが出題されていること、例年通りです。
(3)難易度
序盤、中盤は基本問題で、終盤に難問が出題されています。
大問8「立体図形・投影図」では、実際に見取り図を描くことなく、どのような立体かをイメージする必要があります。
大問9「速さ・進行グラフ」では、最後まで移動していたのが姉か、妹か?グラフと計算から推理しますが、なかなかの難問です。
大問10「ルール指定問題」では、条件に合う整数を書き出して、調べていきますが、かなりの注意力を必要とし、これも難問です。
序盤、中盤のミスを極力減らす必要があります。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 計算問題 | A |
大問2 | ||
(1) | 文章題 | B |
(2) | 速さ | B |
(3) | 割合・食塩水 | B |
(4) | 割合・相当算 | B |
(5) | 平面図形・比 | C |
(6) | 比 | C |
大問3 | ||
(1) | 平面図形・面積 | B |
(2) | 平面図形・角度 | B |
大問4 | 消去算 | B |
大問5 | 消去算 | D |
大問6 | 円周率の定義 | B |
大問7 | 立体図形・展開図 | D |
大問8 | ||
(1) | 立体図形・投影図 | C |
(2) | 立体図形・投影図 | D |
(3) | 立体図形・投影図 | E |
大問9 | ||
(1) | 速さ・進行グラフ | B |
(2) | 速さ・進行グラフ | E |
(3) | 速さ・進行グラフ | E |
大問10 | ||
(1) | ルール指定問題 | B |
(2) | ルール指定問題 | C |
(3) | ルール指定問題 | E |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1「計算問題」
大問2(1)~(4)
ここまでは、ウオーミングアップ問題です。満点を目指しましょう。
大問2(5)「平面図形・比」
Aの縦の長さが、4と6で表されています。
そこで、最小公倍数12に統一します。
Aは12×15=180
Bは10×10=100
差の80が20㎠
よって、Bは25㎠=5cm×5cm
Aの縦は5×6/5=6cm(答)
大問2(6)「比」
C=①とすると、A=②ー2、B=②+2、D=④
よって、合計⑨=225、①=25、④=100枚(答)
大問3
(1)「平面図形・面積」
半円+おうぎ形+半円ー全円=おうぎ形
結局半径18cm、中心角90度のおうぎ形の面積です。
(2)「平面図形・角度」
左上の直角三角形と、左下の直角三角形は、相似。
このことと、外角の定理を利用して、72×2ー90=54度(答)
大問4「消去算」
基本問題です。
大問5「消去算」
六角形をA、三角形をB、四角形をC、五角形をD、円をEとします。
です。
①と③からA+B+B=A+E
よって、B+B=E
Eは2か4ですが、4だとするとDが6で矛盾します。
よって、E=2、B=1、D=3、C=1、A=4
大問6「円周率の定義」
直径×円周率=円周です。
大問7「立体図形・展開図」
組み立てると、円柱の上に、3/4の円柱が乗っている図形になります。
完全な円柱から、1/4の部分を切り取ります。
4×4×3.14×10-4×4×3.14×6×1/4=427.04㎤(答)
大問8「立体図形・投影図」
真上から見た図のマスに、何個積み上げる必要があるか?積み上げても大丈夫か?を検討していきます。
正面や真横から見て、1個しかない列には、1個しか置いてはいけません。
3個見える列には、どこかに3個置く必要がありますが、置いても大丈夫な場所は、限られています。
大問9「速さ・進行グラフ」
(1)810÷9=90m/分(答)
(2)9分後からは、毎分30mずつさが開きます。
90m開くには、3分かかります。
よって、アは12。
900÷(90+60)=6より、2人が出会ったのは、12分後からさらに6分後の18分後。
ここで、ウというのは、姉が学校に着いた時刻なのか、妹が家に着いた時刻なのか、進行グラフだけ見ていてもわかりません。
そこで、妹がどのような動きをしたか、まとめてみます。
9分後に家を出発し、それから9分後の18分後に姉と出会ったのですから、家に着くのは、さらに9分後の27分後です。
ということは、ウは、姉が学校に着いた時刻です。
姉は12分進んで、家から1080mの地点で、忘れ物に気がつきました。ここが、学校まで残り450mの地点。
よって、家から学校までは、1080+450=1530m……イ
(1530ー1350)÷60=3より、ウは27-3=24分
(3)姉は忘れ物に気がついてから90×6=540m戻り、そこから学校まで540+450=990mを6分で走りました。
990÷6=165m/分(答)
大問10「ルール指定問題」
(1)57に対しては、40台の終わりよりは、60台のはじめの方が、近いので、60から順に試すと、60が答え。
(2)6249に対しては、7000台のはじめより、5000台の終わりのほうが近いので、9を避けつつ58??を探ります。5873(答)
(3)和が606。平均303。
303をはさんで、等距離にある整数を書き出し、条件に合うものを探します。
(304,302)(305,301)(306,300)(307,299)……(319,287)
英子さん319,陽子さん287(答え)
・大問7までは、基本的な問題が多く、ここまで満点なら、ほぼ合格者平均点でしょう。
ただ、問題との相性や、ミスなども考えると、大問8以降で、何問か補いたいところです。
・大問8の(1)(2)は、定番問題です。
機械的に解けますから、準備しておくべきです。
・大問9の「速さ・進行グラフ」は、(1)が易しく、(2)(3)が難問です。
(1)のような問題を見逃さずに、ぜひ得点しましょう。
縦軸が「差」を表す進行グラフは、東洋英和でよく出題されますが、縦軸が地図になっていないので、難しくなっています。
この手の進行グラフを、地図に書き直す練習をすると、効果的です。
・大問10は、(1)が(2)のヒント、(1)(2)が(3)のヒントです。
(3)では、「和」から「平均」を求めましたが、これは「最も近い数」を「等しい数」と言い換えることを意味します。
問題文の条件を、問題を解きやすくする別の表現に言い換える練習をすると良いでしょう。