目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)出題分野 |
(2)難易度 |
2、各論(大問1~4) |
「対策」 |
(1)出題分野
「場合の数」「規則性」「平面図形」「速さと比」から出題されています。
いずれも、筑駒の典型的な出題分野です。
(2)難易度
年々、重量感が増している感があります。
20年ほど前の過去問を見ると、センス一発で解ける短くて軽い問題が中心でした。
もちろん、それは、必ずしも易しいということを意味しません。
センスがなければ、何時間考えても解けないわけですから。
ところが、近年の筑駒の問題は、問題文の文字数が多く、読むだけでもかなりの時間がかかります。
しかも、地道に書き出して調べる問題も多数出題されています。センス一発……というわけにはいきません。
制限時間の短さを考慮すると、相当に難化していると言えるでしょう。
「出題分野&難易度マップ」を掲載いたします。(難易度は、レッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 場合の数 | B |
(2) | 場合の数 | C |
(3) | 場合の数 | E |
大問2 | ||
(1) | 規則性・数表 | B |
(2) | 規則性・数表 | C |
(3) | 規則性・数表 | D |
(4) | 規則性・数表 | E |
大問3 | ||
(1)ア | 平面図形 | C |
(1)イ | 平面図形 | D |
(2)ア | 平面図形 | C |
(2)イ | 平面図形 | D |
大問4 | ||
(1) | 速さと比 | C |
(2)ア | 速さと比 | E |
(2)イ | 速さと比 | E |
それでは順に見ていきましょう。
大問1「規則性・数表」
ポイント
本問は、(1)~(3)を通じて、「合計(和)が3の倍数になる組み合わせ」が問われています。
ということは、3で割ったときのあまりだけが問題になります。
よって、
と置きかえても大丈夫です。
(1)
(アウキ)=(000)(012)(021)(102)(111)(120)(201)(210)(222)の9通り(答え)
(2)
(2)でも(1)と同じく、アウキについては3の倍数しばりがかかっています。
よって、(1)で書き出した9パターンをそのまま利用します。
たとえば、アウキが(000)の場合、イエの和は3になります。
そのような(イエ)は(12)(21)の2通りです。
同じ要領で、(1)の残りのパターンも調べていくと、すべて2通りずつあります。
よって、9×2=18通り(答え)
(3)
(2)を解きながら、次のような規則性に気づくと、早く解けます。
「イエ」を決めるのに関係するのは「ウ」だけである
そうすると、「オカクケ」を決めるのに関係するのは、「キ」だけです。
「キ」が「0」の場合、「オカクケ」は
となります。
「キ」が「0」になるのは、(2)より6通りとわかっていますから、
26×6=156通り
とわかります。
「キ」が「1」「2」の場合も同じように調べると、合計420通り(答え)
大問2「規則性・数表」
(1)
「上から8段目、左から8列目」ということは、③のボックスの3段3列ということになります。
これは、図1でいうと、「7」にあたります。
ただし、③の数は➀(すなわち図1)の数に比べて、25を2回「加算」されています。
よって、7+25×2=57(答え)
(2)
まず、203が➀から⑨のどのボックスに入っているかを調べます。
203÷25=8あまり3
よってボックス⑨ の3番目、全体で言うと、上から2段目、左から12列目とわかります。
つまり、2の段の1列から15列までの数の合計を求めればよいわけです。
ここで、➀、➁、⑨とも、2段目には、25で割るとあまりが4、3、8、11、24の数が並んでいることに注目します。
➁のボックスの5個の数は、25の「加算」が1回行われています。
⑨のボックスの5個の数は、25の「加算」が8回行われています。
よって、合計は
(4+3+8+11+24)×3=150
25×1×5=125
25×8×5=1000
150+125+1000=1275(答え)
(3)(4)
要領は(2)と同じです。
の2点を実行すれば、効率よく答えが求められます。
大問3「平面図形」
(1)
2枚のおうぎ形の面積の和から、三角形2枚分(ひし形)の面積を引けば、重なり部分の面積(Aがえがく線だけでかこまれる部分の面積)が求められます。
(2)
「Aがえがく線だけでかこまれる部分」には、正十二角形の中央部分が含まれます。
(1)は90度しか回転しなかったので、この部分が問題になりませんでしたが、360度回転すると、図形が閉じるので、中央に新たなエリアが発生します。
要注意!
大問4
ポイント
本問では、道のりだけが問われていて、速さは「比」しかわかっていません。時間に関する条件は、一切ありません。
これは、具体的な速さが決まらない、すなわち、具体的な速さは、無限の可能性があることを意味しています。
たとえば、本問の移動の様子を動画で撮影して、2倍速、3倍速、4倍速……でながめると、目的地に移動するまでの時間は変わりますが、自転車を降りたり乗ったりする「地点」は変わらないわけです。
そこで、本問を解くにあたり、徒歩を100m/分とします。
これで、計算が具体的で容易になります。
(1)
2人が歩いた距離と、自転車に乗った距離がそれぞれ等しければ、同時に着きます。
よって、6000÷2=3000m(答え)
(2)(ア)
とします。
6000÷100=60分(徒歩2人分合計)
3000÷200=15分(自転車上り)
3000÷400=7.5分(自転車下り)
60-15-7.5=37.5分(2人とも歩いていた「のべ」時間)
37.5÷2=18.75分(2人とも歩いていた時間帯、すなわち、自転車が止まっていた時間)
地点Mまで、徒歩と自転車の時間の差は15分。
18.75-15=3.75分
Mから、徒歩と自転車で3.75分の差がつくのは、自転車で3.75÷3=1.25分の地点。
よって、3000+400×1.25=3500m(答え)
(2)(イ)
徒歩と自転車の速さは、(ア)と同じ設定なので、自転車が止まっていた時間は18.75分です。
大問1と大問2は、「あまり」に注目する点が、共通しています。
大問1が、大問2のヒントになっています。
これによって、まともに計算すると莫大な時間がかかるところを、大幅に削減できます。
本年度は、
という構成になっています。
難しい問題、作業量の多い問題は適度にスルーしつつ、大問3を確実に得点できると、精神的にも落ち着くでしょう。
この2点が決定的に重要である点、例年通りです。
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