目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~5) |
「対策」 |
(1)入試結果
早稲田実業2022年・算数は、例年通りでした。
年度 | 受験者平均点 |
2022 | 55.5 |
2021 | 52.6 |
2020 | 57.6 |
(学校ホームページより。算数100点満点)
(2)出題分野
「平面図形」「差集め算」「場合の数」「比」などを中心に、出題されています。
もっとも、大問4は、「場合の数」「規則性」「立体図形」の「融合問題」と言った方が適切ですし、大問5も、「比」「平面図形」「数の性質」の「融合問題」と言った方が適切です。
分野横断的な融合問題が、多数、出題される点が、早実の特徴です。
(3)難易度
基本問題の数字替えは、ほとんど出題されませんでした。
多くの問題が、標準~難問レベルです。
それでも、前半は、難易度がやや控えめになっています。
出題分野&難易度マップを掲載いたします。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算 | A |
(2) | 倍数算 | C |
(3) | 立体図形 | C |
(4) | 規則性 | C |
大問2 | ||
(1)➀ | 平面図形 | C |
(1)➁ | 平面図形 | C |
(2) | 時計算・説明 | C |
大問3 | ||
(1) | 差集め算 | C |
(2) | 差集め算 | D |
(3) | 差集め算・3段つるかめ | D |
大問4 | ||
(1) | 融合問題(場合の数) | C |
(2) | 融合問題(場合の数) | C |
(3) | 融合問題(場合の数) | D |
大問5 | ||
(1) | 融合問題 | C |
(2)➀ | 融合問題 | D |
(2)➁ | 融合問題 | E |
それでは順に見ていきましょう。
大問1(1)「計算」
ウオーミングアップ問題です。
大問1(2)「倍数算」
大問1(3)「立体図形」
底面の半径は1cm、長方形のたては3cmです。
大問1(4)「規則性」
囲まれた4つの数の関係は、下表の通り。
□ | □+1 |
□+7 | □+8 |
合計□×4+16が3の倍数。
□は、3で割ってあまりが2
ただし、囲みがカレンダーからはみ出さないように注意しましょう。
大問2(1)「平面図形」
一つの外角が何度になるかに、注目します。
正二十四角形の場合、一つの外角は360÷24=15度なので、となり合う内閣の和は180+15=195度
これは60+135、つまり、正三角形と正八角形の和
大問2(2)「時計算・説明」
解法パターンの暗記に対する、警鐘です。
大問3「差集め算」
(1)は、取り違えの差集め算
(2)
(3)
3段つるかめです。
大問4「融合問題(場合の数)」
(1)はコツをつかむための練習。
(2)は(3)の準備です。
切り方A | 0回 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
A面の分かれる個数 | 1個 | 2 | 4 | 7 | 11 | 16 | 22 |
切り方B | 6回 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 |
立体の個数 | 7個 | 12 | 20 | 28 | 33 | 32 | 22 |
大問5「融合問題」
(1)一目盛り(歯)5秒と考えます
歯数(比) | 1周の時間 | |
A | 12 | 60 |
B | 8 | 40 |
C | 7 | 35 |
D | 8 | 40 |
(2)➀
等積変形して、対角線が90度で交わる四角形の面積を求めます。
(2)➁
前問から、この問題は
「進んだ歯数÷1周の歯数」の「余り」がポイントになることがわかります。
点Qの位置から、進んだ歯数は8で割って余りが6
点Rの位置から、進んだ歯数は7の倍数
よって、はじめは14、以後は7と8の最小公倍数56ずつ大きくなります。
14、70、126、182……
それぞれの場合の、点P、点Sの位置を求めればOK
12、8、7の最小公倍数168が周期なので、182以降は、同じことのくり返しです。
どの問題にも、出題者の工夫が込められていて、味わい深いラインナップでした。
本年度は、特に、以下の2点に、特徴があります。
倍数算に強くなろう!
大問1(2)、大問3(2)は、倍数算が使いこなせるか否かで、天地の差です。
練習しておきましょう。
融合問題のコツは、規則性の発見!
世の中のすべての融合問題が「規則性の発見」というわけではありませんが、早稲田実業は伝統的に「規則性」の問題を出題する傾向にあり、本年度は、それが、融合問題に顕著に表れています。
ポイントは、問題文の条件に従って、どんどん数字を書き出していくことです。
はじめは規則性が見えなくても、作業しながら、次第にコツがつかめてきて、やがて計算で求められるようになります。
本年度の問題では、
が、規則性発見の練習問題として、有用です。