目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)出題分野 |
(2)難易度 |
2、各論(大問1~5) |
「対策」 |
横浜共立中学2021年A・算数は、やや易し目の出題となりました。
社会状況に配慮してのことと思われます。
(1)出題分野
「平面図形」「速さ」「割合」「立体図形」を中心に出題されています。
いずれの問題も、典型的な中学入試問題です。
(2)難易度
本年度は、全体的に易し目ですが、その中でも大問1の小問群は基本的な問題で、大問2以降は、徐々に難しくなっていきます。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 計算問題 | A |
(3) | 約束記号 | B |
(4) | 速さ・通過算 | B |
(5) | 速さ・時計算 | B |
(6) | 平面図形 | B |
大問2 | ||
(1) | 割合・食塩水 | C |
(2) | 割合・食塩水 | B |
(3) | 割合・食塩水 | C |
大問3 | ||
(1) | 速さと比 | B |
(2) | 速さと比 | C |
(3) | 速さと比 | C |
大問4 | ||
(1) | 平面図形 | B |
(2) | 平面図形 | B |
(3) | 平面図形 | C |
大問5 | ||
(1) | 立体図形 | C |
(2) | 立体図形 | C |
(3) | 立体図形 | C |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1
(1)(2)「計算問題」
ウオーミングアップ問題です。
大問1(3)「約束記号」
2+□×2=4+3×4
よって、□=7(答)
大問1(4)「速さ・通過算」
毎分1380m=毎秒23m
(675ー284)÷23=17秒
18+17=35秒(答)
大問1(5)「速さ・時計算」
(210-95)÷5.5=20と10/11分(答)
大問1(6)「平面図形」
円の中心からAに補助線を引くと、半径3cm、中心角120度のおうぎ形と、底辺1.5cm、高さ2.6cmの直角三角形に分割されます。
3×3×3.14÷3+2.6×1.5÷2=11.37㎠(答)
大問2「割合・食塩水」
(1)
4%の食塩水150gと水100gを混ぜると、2.4%の食塩水250gができます。
これと、6%の食塩水□gを混ぜると、4%の食塩水になります。
4-2.4:6-4=4:5
250÷5×4=200g(答)
(2)
食塩の重さ合計は24+3=27g
食塩水の重さ合計は400+75+125=600g
よって、27÷600=0.045=4.5%(答)
(3)
6%の食塩水□gと、4%の食塩水450gを混ぜると、4.5%の食塩水になります。
6-4.5:4.5-4=3:1
450÷3×1=150g(答)
大問3「速さと比」
(1)
時間の比が4:3ならば、速さの比は3:4です。差の1が毎時1.5kmですから、下りの速さは毎時6km(答)
(2)
上りの時間:下りの時間=5/3:3/4=20:9
よって、2時間54分(=174分)を20:9に比例配分すると、上り120分、下り54分。
4.5×2+6×(54/60)=9+5.4=14.4km(答)
(3)
5.4÷4.5+9÷6=2.7時間=2時間42分(答)
大問4「平面図形」
(1)
相似比1:3なので、面積比は1:9(答)
(2)
AF:FG:GH=1:2:3より、A~Hは、AFの6倍
(3)
ABを延長して弧と交わる点をJとします。
A~JはAFの10倍=75.36cm
弧JI=83.21-75.36=7.85cm
360×(7.85/60×3.14)=15度(答)
大問5「立体図形」
影の部分を底面とすると、その上の八角形は、後ろの側面、下側にくっついている八角形は前面の側面となります。
前面の側面は、展開図を180度回転させた向きになります。
前面と後面の周囲に、10×54の長方形をのり巻きのように巻きつければ、出来上がりです。
横浜共立中学は、もともと超難問はあまり出題しない学校ですが、本年度は、おそらく社会状況に配慮して、特に基本的な問題に徹しています。
来年度もこの傾向が続くとは限りませんので、過去問演習として解いた受験生は、この点に注意が必要です。
腕試しに解くのであれば、6年生の春先~初夏にかけてが、ちょうど良いかと思われます。
なお、本年のような状況でも出題された「図形」「速さ」「割合」は、中学入試・算数の3本柱ですが、横浜共立の先生方も、この3つの分野を最重要視なさっているということは、今後の参考になります。